BOURGOGNE 2002
色合い 赤みの強い濃いルビー色、粘性は高い。
香り 黒系果実にスパイスのアロマ、イチゴやブルーベリーなど果実香に溢れ、そこに紅茶やキノコなどの複雑な香り、苺系の上品な香りも合わさる、典型的なピノ・ノワール種のイメージです。ボリューム感があり甘露で肉感的で厚みのある香り。
味わい AOCブルゴーニュとは思えない素晴らしい味わい。見た目そのままの濃さや洗練された果実味が口中に広がる。肉厚な印象。シナモン、黒砂糖、バニラ、八角の様なふくよかな甘みとジャムの様なダークチェリー、ブルーベリーの果実味。
飲み進むとさらにボリュームが現れ、タンニンは柔らかく、酸味と共に溢れ出る旨味とコクがしっかり感じられる。酸味、渋みは程よく調和している。
(山) セラファンのワインは、どれも雑味の無い澄んだ果実味と華やかさを備えています。その旨味は村名から一級まで驚く程滑らかで官能的、妖艶。どの要素もつけいる隙が無いくらい美味いといえます。
- セラファン・ペール・エ・フィス Sérafin Père et Fils
1947年、ポーランド移民のスタニスラ・セラファン氏によって創設されたこのドメーヌは、前当主である息子のクリスチャン氏によって1960年代から徐々に発展を続けてきました。最初に所有した畑はジュヴレ シャンベルタンの村名で当初はネゴシアンにワインを売っていましたが、1970年から徐々にドメーヌワインとして販売するようになり、1987年には100%ドメーヌ元詰めワインになりました。1990年代にはジュヴレ シャンベルタン村以外にシャンボール ミュジニー村やモレ サン ドニ村の畑も手に入れ、現在では約5.3haの畑を所有しています。
葡萄栽培においては自然環境を尊重して、健康で良質な葡萄を作ることを大事にしています。葡萄の木が病気の被害に遭った時の薬剤の使用は出来るだけ最小限に留め、雑草を取り除く際は除草剤は使わずに耕作することで雑草を掘り起こし、さらに土の中に空気を入れることで微生物の活動を活性化させるようにしています。芽掻きや剪定をしっかり行うことで生産量を抑制し、非常に凝縮した葡萄を作っています。(リュット・レゾネ方式)
収穫は全て手摘みで腐敗した葡萄や干からびた葡萄などをしっかり選別し、除梗は約70%行います。ステンレスタンクに入れられた葡萄は醗酵前に低温で浸漬してピノ・ノワールの色とアロマを出し、自然酵母によってアルコール醗酵が始まります。醗酵温度は最高35℃で時間をかけてゆっくり行われます。櫂入れをしっかり行なって色、アロマ、タンニンを引き出します。
その後、ブルゴーニュクラスは50%、ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィラージュは70%、それ以外は100%の新樽率で14~20ヵ月間熟成してノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰されます。凝縮感が強く新樽比率も高いため、1erCru以上のクラスは熟成に向きます。90年代など、いま、まさにその真価が現れてきています。ヴィラージュ(村名)は比較的若飲みが可能です。
このようにして生み出されるワインは、ともかく長熟なヴァン・ド・ガルドで、若いうちでも新樽の風味はそれほど強くなく、たっぷりとした構成要素の色濃く滑らかなもの。そして良年は言わずもがなですが、オフ・ヴィンテージでの完成度の高さがドメーヌの大きな強みであり、2代目のクリスチャン氏は1977年、94年07年等、不調なヴィンテージを全く感じさせない仕上がりのワインで我々を愉しませてくれました。
2002年、息子ロイックを交通事故で亡くして以来、なぜかセラファンのワインは輝きを増し、以前に比べレベルアップし、見事に美味しく果実味がぐっと強調されているようですと言われます。最近、当主は姪のフレデリック・バショテに変わりましたが、クリスチャンも未だ指導を行いながら現場に立っています。