Archive for the ‘vins de France’ Category

Château Guiraud 2005

日曜日, 1月 14th, 2018

Château Guiraud 2005

  • 生産地 ソーテルヌ地区ソーテルヌ村
  • 格付 1855ソーテルヌ第1級格付け
  • 生産者 Château Guiraud
  • 品種 Sauvignon Blanc 50%/Sémillon 50%
  • コメント

色合い 輝く黄金色です。脚もゆっくりなだらかに下っていきます。

香り  マンダリンやタンジェリンのようなオレンジ系のアロマ、野獣めいた香り、ついでカラメルの香りを押し流すように蜜につけた桃。杉の葉ではなく皮の香りもして、強く甘く堂々としたニュアンスです。サフランやエキゾチックなフレーバー、オレンジの皮のようなビターなニュアンス、アフターに甘いスパイス。
30分後、柔らかで丸い香りとなり、樽香や杉の皮の香りはおさまりました。10日後、香りは清楚に。藤の花の香りが押し寄せる感じです。初日の野獣のような印象からすっかりいい女となりました。

味わい  蜜、とろけるような液体、きれいな甘みにうまく絡んでいる酸味。圧倒的に複雑な味わいです。他のソーテルヌとはちょっとスケールが違う感じがします。 なんとも美しく瑞々しい味わい。そして長い長い余韻があるのです。

  • Château Guiraud2005の評価

2005年ヴィンテージはシャトーを代表する傑作となりました。レモンタルト、焼きりんご、ヴァニラ、トロピカルフルーツ、蜂蜜などの風味が重層的に口中に広がり、長い余韻を堪能出来る美酒です。ワインスペクテーターで大絶賛され、2008年末に発表されたワインスペクテーター誌の【2008年TOP100】では堂々の4位にランクイン。これはフランスワインでは2位のシャトー・ローザン・セグラ2005に次ぐ順位で、2005年のソーテルヌではシャトー・ディケムと同点の最高得点を獲得したのです。パーカーポイント95点です。

「2005年のGuiraudは2004年のそれに比べてわずかではありますが、持っている香りが低いと言えます。しかし、乾いた蜂蜜やマーマレード、そして液体に空気を含ませると僅かばかりですが、石油系のニュアンスがあるなど大変複雑な香りで構成されています。
味わいは、最初に粘着性を感じ、次にぱりぱりしていると言えるようなはっきりとした酸味があり、蜜蝋とアーモンドの味わいが最後まで調和して長く続きます。
試飲時(2013年4月)から言うと、少なくともあと2-3年は寝かせていたほうが良いワインです。2016年から2030年が飲み頃と言えるでしょう。」(Wine Advocate)

●Château Guiraud
1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティー氏が支配人に就任した時です。氏の指導の下、大改革が行われた『シャトー・ギロー』は厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを産しています。ロバート・パーカー氏も『グザヴィエ・プランティーのおかげで、今このシャトーは絶頂期にある』と評価しています。2006年にプジョー・シトロエンのロベール・プジョー氏、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのオリヴィエ・ベルナール氏、カノン・ラ・ギャフリエールのステファン・フォン・ナイペルグ氏、ギロー支配人のグザヴィエ・プランティー氏による共同所有となりました。

●100%オーガニック、格付1級で初の有機認証を獲得したシャトー。
近年、ワインスペクテーターやジェイムス・サックリンなど、世界的なワイン評価誌でも高く評価されているシャトー・ギロー。その秘密の一端を担うのが、有機栽培です。

ギローは、1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。

有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。

●この変化はたった5日間で

ソーテルヌの独特の風味を生みだすのはボトリティス・シネリア菌(貴腐菌)ですが、貴腐がつくのは完熟したぶどう。5日間くらいで一気に変化が見られるそうです。

■貴腐葡萄
■ソーテルヌ地区概要

Bourgogne Chardonnay 2014/Domaine Famille Picard

日曜日, 1月 14th, 2018

Bourgogne Chardonnay 2014

  • 生産地 ブルゴーニュ地方
  • 格付  AOC Bourgogne
  • 生産者 Domaine Famille Picard
  • 品種 シャルドネ100%
  • コメント

フレッシュ感と綺麗な酸味で飲み飽きない美味しさが楽しめます。柑橘系やリンゴのような豊かな果実味と、控えめな樽香が見事にバランス。 適度なコクが楽しめ、爽やかな酸味がすがすがしい上品なシャルドネの滑らかな喉越しのワインです。

コート・ド・ボーヌ(20%)とシャロネーズ(50%)とシャブリ地区(30%)のシャルドネ種を収穫後ステンレスタンクで発酵させ、小樽(228リットル)で8ヶ月熟成。

良く冷やしてアペリティフに、シーフード、甲殻類、白身魚のムニエル、お寿司などに合わせて。

  • Domaine Michel Picard

ミッシェル・ピカールはフランス・ブルゴーニュのドメーヌ所有者として、またネゴシアン(葡萄やワインを買って造る酒商)として第一級の評価を受けるメーカーです。

コート・ド・ボーヌのシャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェに本拠を置き、ブルゴーニュ各地に合計135haの自社葡萄園を所有する生産者であり、ドメーヌしての規模はブルゴーニュのベスト3に数えられます。 取り扱い内容はブルゴーニュ全体に及び、ミッシェル・ピカールの商標でフランス国内は元より世界の市場に送り出しています。また、オスピス・ド・ボーヌの最大手落札者としても有名です。

  • シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェ

シャサーニュ・モンラッシェ村の入口にあるこのシャトーは、14世紀からの歴史あるものですが、現在は大手ネゴシアンとして知られるミシェル・ピカールの本拠地となっています。ミシェル・ピカールは、コート・ド・ボーヌとコート・シャロネーズに135ヘクタールの畑を持ち、6つのワイナリーを営んでいます。シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェはそのひとつで、クオリティ志向のワイン造りを進めるミシェル・ピカールのフラッグシップ・ワイナリーの位置付けとなっています。どんなことでも新しい試みには、それなりの資金が必要になるものですが、ワインの世界でも、常に資金力のあるところが参入して、新陳代謝が行われてきました。そういう意味では、こうしたネゴシアン大手が、トップエンドのワイン造りを行うために投資するのは歓迎すべきことに違いないでしょう。いずれ、シャサーニュ・モンラッシェの代表的な生産者となると思われます。

  • シャサーニュ・モンラッシェ

Côte de Beaune 地区の南にある Chassagne-Montrachet は、辛口白ワインのなかで揺るぎない立場を Puligny-Montrachet と分かち合っています。中でもモンラッシェ畑は神格化されています。素晴らしい畑が、広く美しい斜面にブルゴーニュを代表する2大品種の Pinot Noir と Chardonnay が terroirs の複雑性を考慮され並んでいて、その真価を発揮しています。大理石の大きな石切り場があり、パリのトロカデロ、最近ではルーヴルのピラミッドに、ここのピンクとベージュの大理石が使われました。AOC の認定は1937年。標高 220~325mの斜面に広がります。テロワールterroirs は頂上から、ローラシアンの絶壁、ジュラ紀カロビアンの急斜面、アルゴヴィアン泥灰土、ジュラ紀バトニアンの石灰質などと複雑な様相を呈しています。 Climatsによって、ジュラ紀地層の石灰質、砂利質、泥灰質、より砂質と多様です。

 

Château Soutard 1986

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Soutard 1986

  • 原産地 リブルネ地区サンテミリオン村
  • 格付け AOC St.-Emilion Grand Cru Classé
  • 生産者  Château Soutard
  • 品種 メルロー60% カベルネフラン40%
  • コメント

サンテミリオンでは最も歴史のある伝統的なつくりのシャトーとされる”スータール” 。ほとんどのヴィンテージが20~25年以上持ちこたえ、暗くて非常に濃いルビー色をしており、強烈でタンニンの強い獰猛さがあって、若い内は飲む人を遠ざける程と言われています。リッチなスタイルで、果実味、タンニン共に非常に豊かな長期熟成型。

色合い  濃縮感のある深い色合い。縁はガーネットに美しい輝き。

香り   芳醇な黒系果実に、熟成した“ボルドー”の香り。ちょっとホコリっぽい熟成感。熟した果実の甘いニュアンス、黒いベリー系に甘草などのハーブの香り。ドライフルーツ、土、古い木、鉛筆の削りかすの香り、工場の鋼材の感じ。奥に黒胡椒やバニラ、インク、腐葉土、少し清涼感を感じさせるミントも。遠くにローズ香。非常に複雑・多岐です。

味わい  ヴォリューム感に富んだタンニンを備えた豊満な味わい。メルローのまろやかさとカベルネフランのしなやかさ、若いうちは強いタンニンで感じにくいのですが、1986は長期熟成により濃密な気品のある味わいとなって表れてきます。タンニンもこなれて軽さすら感じます。思いのほかまろやか艶やか色気がタップリ。ブルゴーニュのように妖艶。

  • 1986のChâteau Soutard

スータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

メルローを主体にカベルネ・フランをブレンドし、新樽熟成による複雑味のおびたアロマ、豊富な果実味の中にもバランスの取れた酸や、シルキーなタンニンが感じられます。86年はボルドーの偉大なヴィンテージの一つ、そのポテンシャルをダイレクトに感じられる1本です。ベリー系果実の華やかな風味やスウェード生地のような滑らかな舌触りが感じられ、メルローらしいきめの細かいタンニンが特徴です。

  • ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」PP86

「スータールはいまだにサンテミリオンのアペラシオンで最も長命なワインの1つである。当主がわざとあり余るほどのエキス分や口の中がカラカラになるほどのタンニンを詰め込んで、20年は持ちこたえることが確実なワインにしていることは間違いない。この年のワインも非常に内向的で、出し渋りをする。タンニンのレベルは途方もないが、リッチな、エキス分の多い、凝縮感のある果実味も感じられる。予想される飲み頃:〜2018年。」

  • シャトー・スータール / Chateau Soutard

ボルドー・サンテミリオン地区で1762年より同一の一族によって所有されていたボルドーの歴史の中でも非常に長く、珍しい歴史をもつシャトー(現在は保険会社の所有)。優良なヴィンテージは、最低20年は待ってから飲むべきと言われる同シャトーのワインは、クラシカルな長熟タイプで、清澄やフィルターによる濾過を一切行わず、30%程の新樽熟成を経て非常に遅い時期にボトリングされます。サンテミリオン地区の北部に位置する非常に高い位置にある葡萄畑は石灰質土壌、粘土質土壌、砂質土壌とバリエーションに富んでおり、それぞれの畑の葡萄を混ぜ合わせることで、味わいに深みと複雑さを与えています。リリース当初のスータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

Château Sociando-Mallet 1995

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Sociando-Mallet1995

  • 原産地 Haut-Médoc, St-Seurin de Cadourne村
  • 格付けAOC  Haut-Médoc
  • 生産者 Château Sociando-Mallet
  • 品種 CS 55%、Me 42%、CF2%、PV1%
  • コメント

色合い  光を通さないほど濃いルビーから紫色を凝縮された紫色。経年変化で、青のニュアンスが消え、煉瓦色が混じる。

香り   湿った木や、ほこりのようなイメージなどがあり、図書館や古本屋のようなイメージを想起させるクラシックな・落ち着きのある印象の香りです。鋼鉄の板、ミネラル、ブラックチェリー、黒カシス、微妙な樽香クレームドカシス、砕いた岩や春の花の豊かな香り。腐葉土のような枯れ感にインク。

味わい  非常にコクがあり、シルクのような滑らかなタンニンです。ミディアムボディーで、この年のワインとしてはタンニンが強く、余韻の長いフィニッシュで、凝縮感や純粋さは優良から秀逸。

▼1995のChâteau Sociando-Mallet(インポーター資料)

香りは湿った木のような香りに腐葉土。キノコのような香りなど、熟成に起因する香りが豊かに香ります。

果実味は無花果のようなイメージがしっくりと来る落ち着いた果実の香りがあり、鉛筆の芯のような硬質的な香り、また、餡のような甘く香ばしい香りもあります。また口の中ではカンゾウのような漢方薬のイメージ。

依然としてそのボディは拡散的ではなく凝縮したビターさを残しています。芯を保ちながら熟成感が出ており、ボディは多少ボリュームが足りないような中庸な印象の一方で、綺麗にまとまっています。余韻はコショウのようなスパイス、腐葉土、インクのようなニュアンス。

▼ロバート・パーカーの評価 1995年PP90

「近づきやすいのにタニックなソシアンド・マレだ。深みのあるルビー/紫色をしており、秀逸な香りはジャムにした様なブラックチェリー、ブラックベリー、カシスを思わせ、ミネラルや土、新樽を思わせる微妙な趣もある。深みがあり、余韻が長く、筋肉質で、タニック。予想される飲み頃 ~2025年」

▼1995年のボルドー・ワインの出来

ボルドー地方は巨大な収穫量でしたが間引きによって生産量は少なめ。メルロー種は大成功で、カベルネも重くタンニンが強く長期熟成ワインです。高品質で秀逸したヴィンテージ・ワインは価格が高騰しています。

  • Château Sociando-Mallet

もしメドックの格付けの見直しが行われたら確実に3級以上に上がってくる、と言われているシャトーです。フランス国内での評価が非常に高く、ほぼ国内で消費されてしまい日本での知名度はさほど高くありません。シャトー・ソシアンド・マレは、サン・テステフ村に隣接するサン・スラン・ド・カドゥルヌ村のシャトー。17世紀半ばにシャトーを所有していたソシアンド氏と、1850年の所有者の未亡人、マレ女史の名をとって名付けられました。このシャトーの輝かしい歴史は、1969年に荒廃していたシャトーをジャン・ゴートロー氏が購入した事に始まります。彼は、ソシアンド・マレをメドック格付け外シャトーの中で最も美しいワインとすることに尽力した人物。2003年以降クリュ・ブルジョワの自らのシャトーの格付けに対して納得できず、クリュ・ブルジョワの中でも最上位のクリュ・ブルジョワ・エクセプショネルの格付けを返上。「格付けシャトーでもブルジョワシャトーでもなく、ソシアンド・マレである」とし、 格付けには分類されない立場を貫いています。

所有する畑は、非常に日当たりも良く、砂利も多いため水はけも良い素晴らしい土壌の卓越した畑で、1ha あたりの植樹植度の高さ(8000本)や徹底した手摘みと選果の技術が同業者からも高く評価されています。100%新樽使用など、醸造にも妥協のない徹底ぶりがうかがえます。仏国内での評価が高く、ほとんどが国内で消費されてしまうため日本での知名度は高くなく、知る人ぞ知る、通好みのワインとして愛されています。昔ながらの製法を守り、骨格のしっかりとした、非常にエレガントなワインを造り続けているシャトーです。

POMMARD 2004/ Le Domaine PARENT

火曜日, 1月 9th, 2018

POMMARD 2004

  • 原産地 Côtes de Beaune地区Pommard村
  • 格付け AOC Pommard
  • 生産者 Le Domaine PARENT
  • 品種 ピノ・ノワール100%
  • コメント

【樹齢】35~45年

【土壌】粘土・石灰岩

【醸造】100%除梗、5日間の低温浸漬。1日2回のピジャージュを行い18~20日間発酵。

【熟成】オーク樽16~18ヶ月(新樽30~40%)

色合い 赤紫がかったルビー。粘性はまぁ高め。

香り   香りにはバラやアカシア、お香のような上品な芳香とともにシロップ漬けのラズベリー、ストロベリーやチェリーなどの赤い果実を印象づける。続いて八角やシナモンなどのスパイス、紅茶の香り、品の良いバニラのノートが複雑に混じり合う。

味わい アタックはソフトでなめらか。エキス分に富む豊かな果実味が染み渡るように広がり、丸みを帯びたタンニン、溶け込んだ酸味が絶妙のハーモニーを奏でる。アペラシオン特有の力強くしっかりとした構造が明確に表れており、何よりも果実味と酸味、渋みとが完璧なまでの調和を見せる。しっとりとしたシルキーなテクスチャー、フィネスが感じられる優雅なアフター。

  • ドメーヌ パランDomaine Parent

偉大なブルゴーニュワインの造り手と知られるパラン家は17世紀半ばにヴォルネイに葡萄栽培の第一歩を築き、1803年、その居を移したポマールで現在のドメーヌ・パランの基礎となるワイナリーを設立しました。伝統的技法と最新の技術の融合、そして忘れてはならないのは完璧なワインを求める厳格なワインに対する精神です。エティエンヌ・パラン氏とアメリカ合衆国第3代大統領、トーマス・ジェファーソンとの親交をきっかけとしてドメーヌ ・パランがホワイトハウスへのワインの納入業者となったのは有名な話です。フランスのみならず世界中を魅了し続ける彼らの造るワインは、力強いスタイルで色合いも深く、しっかりとしたボディとアルコール度数が高いことをその特徴としていす。ポマールを中心として約25haの畑を所有し、17世紀半ばから今日に至るまで脈々と引き継がれてきた完璧なワインを求める精神は今も12代目当主、アンヌ・パラン(写真)と妹のカトリーヌに引き継がれ、パラン家の歴史と伝統を重んじながらも、より柔らかさとエレガンスを持った女性の感性がいきたスタイルに進化しています。葡萄は鉄の酸化でところどころ赤く染まった粘土石灰質の土壌に植えられています。これはピノ・ノワールとシャルドネの栽培にまたとない条件を提供しています。早くより、土壌と環境に対する配慮から、有機栽培ならびにビオディナミ農法を採用し、人間の健康とテロワールを尊重した葡萄栽培に取り組んでいます。収穫も手作業で行われています。

  • AOCポマールの気候・風土

ポマール(Pommard)は、中央にデューヌ川がつくりだした谷があり、谷を境として南北それぞれに丘陵が広がる地形です。この南北の丘陵は、土壌の面でも違いがあります。南側区画のレ・リュジアン、レ・シャンラン、レ・プチュール、レ・ジャロリエール、レ・フルミエなど、ヴォルネイ村に接する地域の土壌は、赤みを帯び、鉄とミネラル分が豊富。小石や粘土が多い泥炭土や褐色石灰岩質の土地で、男性的な香りの強いタニックなもの。ボーヌ村に近い北側区画のレ・ゼプノ、レ・ペゼロール、レ・ザルヴレ、レ・ザルジリエール、レ・クロ・ド・ラ・コマレーヌ、ラ・ルフェーヌ、クロ・ブランは、粘土、石灰、酸化鉄の混じる泥炭土や褐色石灰岩質の土壌となっており、しなやかさのある女性的なバランスの良い妙味が味わえます。

  • AOCポマールのワインの特徴

ポマールの赤ワインは、アメリカをはじめ世界中で人気。60年代のアメリカでは、ブルゴーニュワインの代名詞にもなったほどです。熟成期間4~12年が飲みごろと言われ、長期熟成に耐える豊富なタンニンを持ったワインならではの楽しみ方の多様さも魅力です。熟成初期のうちにはフローラルなピノらしい赤果実のアロマを楽しめます。ローズとシャクヤクがほのかに香るような、ふっくらとした口当たりが特徴です。

BOURGOGNE 2002

火曜日, 1月 9th, 2018

BOURGOGNE 2002

  • 原産地 Côtes de Nuits地区Nuits-St.-George村
  • 格付け AOC Bourgogne
  • 生産者 Sérafin Père & Fils
  • 品種 ピノ・ノワール100%
  • コメント

色合い 赤みの強い濃いルビー色、粘性は高い。

香り   黒系果実にスパイスのアロマ、イチゴやブルーベリーなど果実香に溢れ、そこに紅茶やキノコなどの複雑な香り、苺系の上品な香りも合わさる、典型的なピノ・ノワール種のイメージです。ボリューム感があり甘露で肉感的で厚みのある香り。

味わい AOCブルゴーニュとは思えない素晴らしい味わい。見た目そのままの濃さや洗練された果実味が口中に広がる。肉厚な印象。シナモン、黒砂糖、バニラ、八角の様なふくよかな甘みとジャムの様なダークチェリー、ブルーベリーの果実味。

飲み進むとさらにボリュームが現れ、タンニンは柔らかく、酸味と共に溢れ出る旨味とコクがしっかり感じられる。酸味、渋みは程よく調和している。

(山) セラファンのワインは、どれも雑味の無い澄んだ果実味と華やかさを備えています。その旨味は村名から一級まで驚く程滑らかで官能的、妖艶。どの要素もつけいる隙が無いくらい美味いといえます。

  • セラファン・ペール・エ・フィス Sérafin Père et Fils

1947年、ポーランド移民のスタニスラ・セラファン氏によって創設されたこのドメーヌは、前当主である息子のクリスチャン氏によって1960年代から徐々に発展を続けてきました。最初に所有した畑はジュヴレ シャンベルタンの村名で当初はネゴシアンにワインを売っていましたが、1970年から徐々にドメーヌワインとして販売するようになり、1987年には100%ドメーヌ元詰めワインになりました。1990年代にはジュヴレ シャンベルタン村以外にシャンボール ミュジニー村やモレ サン ドニ村の畑も手に入れ、現在では約5.3haの畑を所有しています。

葡萄栽培においては自然環境を尊重して、健康で良質な葡萄を作ることを大事にしています。葡萄の木が病気の被害に遭った時の薬剤の使用は出来るだけ最小限に留め、雑草を取り除く際は除草剤は使わずに耕作することで雑草を掘り起こし、さらに土の中に空気を入れることで微生物の活動を活性化させるようにしています。芽掻きや剪定をしっかり行うことで生産量を抑制し、非常に凝縮した葡萄を作っています。(リュット・レゾネ方式)

収穫は全て手摘みで腐敗した葡萄や干からびた葡萄などをしっかり選別し、除梗は約70%行います。ステンレスタンクに入れられた葡萄は醗酵前に低温で浸漬してピノ・ノワールの色とアロマを出し、自然酵母によってアルコール醗酵が始まります。醗酵温度は最高35℃で時間をかけてゆっくり行われます。櫂入れをしっかり行なって色、アロマ、タンニンを引き出します。

その後、ブルゴーニュクラスは50%、ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィラージュは70%、それ以外は100%の新樽率で14~20ヵ月間熟成してノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰されます。凝縮感が強く新樽比率も高いため、1erCru以上のクラスは熟成に向きます。90年代など、いま、まさにその真価が現れてきています。ヴィラージュ(村名)は比較的若飲みが可能です。

このようにして生み出されるワインは、ともかく長熟なヴァン・ド・ガルドで、若いうちでも新樽の風味はそれほど強くなく、たっぷりとした構成要素の色濃く滑らかなもの。そして良年は言わずもがなですが、オフ・ヴィンテージでの完成度の高さがドメーヌの大きな強みであり、2代目のクリスチャン氏は1977年、94年07年等、不調なヴィンテージを全く感じさせない仕上がりのワインで我々を愉しませてくれました。

2002年、息子ロイックを交通事故で亡くして以来、なぜかセラファンのワインは輝きを増し、以前に比べレベルアップし、見事に美味しく果実味がぐっと強調されているようですと言われます。最近、当主は姪のフレデリック・バショテに変わりましたが、クリスチャンも未だ指導を行いながら現場に立っています。

Château Bahans Haut-Brion 2001

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Bahans Haut-Brion 2001

  • 生産地 グラーブ地区ペッサック・レォニョン村
  • 格付け AOC Pessac-Leognan
  • 生産者 Château Haut-Brion
  • 品種 カベルネ・ソーヴィニョン36%、メルロ52%、カベルネ・フラン12%(2001年キュベ)
  • コメント

バーン・オー・ブリオンはボルドーの五大シャトーの一つ、シャトー・オー・ブリオンが手掛けるセカンド・ワイン。2007年からのセカンドは「ル・クラレンス・ド・オー・ブリオンLe Clarence de Haut Brion」というワイン名でリリースされているので、バーン・オー・ブリオンはその前身にあたります。驚異的なまでの濃密さと並外れたエレガントさが魅力です。

色合い  

黒色のニュアンスもある濃厚な輝くルビー色。

香り  

いささか閉じているが、ブラックチェリー、プラム、ミネラルの香りがするワイン。赤いベリーやスモーキーなアロマ。甘いカシスやプラムなどの黒系果実の芳醇な香り、タバコや黒色果実、スパイス、コーヒーなどの香り、ブラックカラント、カカオ、チョコレートやトリュフなどの複雑なニュアンス。

味わい  

ミディアム・ボディーで秀逸な純粋さがあり、良好な舌触りと引き締まったタンニンに恵まれています。酸味は控えめで、アタックは柔らかく深い魅惑的な果実味の濃厚な味わいは模範的なグラーヴのスタイルを具現化しています。

「2001年は、瓶詰めされたのが遅く(2003年9月末)、間違いようのない高貴さや、成長著しい複雑さを持っている。縁までプラム/紫色をしており、ブレンド比率はメルロ52%、カベルネ・ソーヴィニョン36%、カヘルネ・フラン12%という手の内を明かさないもので、瓶詰め後は相当に閉じてしまった。それにもかかわらず甘酸っぱいチェリー、ブラックカラント、甘草、燻煙、細かく砕いた小石の純粋な香りがある。ミディアムボディで、純粋さは秀逸で、タンニンは硬く、過度のある、構造の感じられるフィニッシュを持つ。」(Robert Parker jr.)

  • Château Bahans Haut-Brion

オー・ブリオンが手掛ける最上のセカンド。畑、葡萄の選定、醸造方法など、オー・ブリオンと変わらないこだわりと丁寧さがあり、セカンド・ワインというのはもったいないほどの品質です。 格付け第1級のファーストにきわめて近い、最上のセカンド・ワインといえるでしょう。

セカンド・ワインというと、シャトーによって、樹齢の若い葡萄を使用したものや、別の区画から取れた葡萄を使用するものなど様々ですが、オー・ブリオンの場合は、瓶詰め手前までグラン・ヴァンと同じように造っています。

グラン・ヴァンと同じ畑で育てた後に葡萄が選別され、グラン・ヴァンとセカンドに分けます。つまり、 オー・ブリオンと同じテロワールであり、同じ畑で栽培から収穫、製法までに同じように造っています。限りなくファースト・ラベルに近いセカンドと称される理由はそこにあります。

  • Château Haut-Brion

全ボルドーの頂点に君臨する5つの第一級格付けシャトー。その中でも唯一グラーヴ地区から選出されたのがこの「シャトー・オー・ブリオン」です。世界で最もエレガント、そして香り高いワインとして一級格付けの中でも際立つ個性と存在感を醸し出すオー・ブリオン。近年においてはさらにテロワールの特徴を反映させたスタイルへと推移し、温暖な砂利質土壌というミクロクリマを素直に表現しています。

「ブラインド・テイスティングにおいて、オー・ブリオンが、第一級シャトーのなかでは最も外交的で軽いワイン、という印象をしばしば与えるという事実は興味深い。実際には、このワインは軽いのではなく、単に、オークの個性があって肉付きがよく、よりタンニンの多いメドックのワインや、よりシフトでメルロが支配的な、右岸でつくられたワインとは異なっているというだけなのだ。最高のヴィンテージにおいては、早熟であるにもかかわらず、このワインは30年かそれ以上熟成を続ける能力を持っており、ほかのいかなる第一級シャトーのワインよりも飲み頃である期間が長い。」(Robert Parker jr.)

Château Puygueraud 1996

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Puygueraud 1996

  • 生産地 リブルネ地区コート・ド・フラン サンシバー村
  • 格付け AOC Bordeaux Cotes de Francs
  • 生産者 Château Puygueraud
  • 品種 メルロ60%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、マルベック5%
  • コメント

ル・パン、ヴィユー・シャトー・セルタンなどを所有するベルギー出身のネゴシアン、ティエポン・ファミリーが所有するシャトーが造るエレガントなタンニンとしっかりとした骨格を持つ個性溢れるワインです。

色合い  紫色がかった深みのあるルビー色。その濃厚なルビー色からは熟れた果実が感じられます。

香り  ブラックチェリーやプラムなどの熟した果実や熟成からくる落ち着いた華やかな香り。プラム、ブルベリー、カシスリキュールなど。青ピーマン、ローズマリーなどの若々しい香り。スミレの香り。ミント、土、ミネラル、カカオのニュアンス。

味わい  溢れんばかりの果実味と、しっかりしたタンニンを持った、骨格のあるワイン。口に含むと豊満な存在感があります。程よい酸味と果実の凝縮感。シルキーなタンニンが豊かな果実味を引き立たせ、リコリスのニュアンスを伴うフレッシュでエレガントなアフターが長く続きます。

  • Ch Puygueraud 1996

1996年はボルドーでは右岸、左岸を問わず質の良いカベルネの取れた年という事からも分かるように、遅熟のテロワールに取って有利なヴィンテージと なりました。ピュイゲローのテロワールは右岸では断トツに遅熟で、オーナーのニコラ・ティエポン曰く、96年は非常にタンニンのしっかりとした葡萄が収穫できたそうです。

もうかなり良い感じで、ワインがこなれてきて、タンニンがかなりまろやか。今が正に飲み頃。ラムレーズン系のアロマチックな感じが、ワインが綺麗に熟成している事を感じさせます。旨みもたっぷりで、本当に上手く熟成したワインです。

  • Ch Puygueraud シャトー・ピュイグロー

シャトー・ピュイグローは、超・高級シャトーとして知られる「ル・パン」のオーナー、ティエンポン家が所有する人気シャトー。ジョルジュ・ティエンポンがシャトー・ピュイグローを所有したのは1946年のこと。それから長い年月をかけて畑を手入れし、シャトーで最初のワインが造られたのは所有から実に37年もの月日を経た1983年のことでした。リリース後まもなく評論家に絶賛され、人気シャトーの仲間入りを果たしました。

シャトー・ピュイグローが属するコート・ド・フラン(2008年より、ボルドー右岸のコートのついた4つの地区、ブライ・カスティヨン・フラン・カディアックが<コート・ド・ボルドー>1つになった。Cotes de Bordeaux Francs)は、450haとボルドーで一番小さなアペラシオンです。 葡萄畑はジロンド県で最も高地にあり、サンテミリオンの東にあるドルドーニュ川とイル川の流域の中間に位置しています。

ティエンポン家はこのボルドーで最小のこのアペラシオンを復興させる為、長い年月をかけて取り組んできました。その取り組みに一つが、土壌に合った品種の植え替えです。シャトー・ピュイグローはメルロを中心に、 マルベックやカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしていましたが、2005年からはカベルネ・ソーヴィニヨンを伐採し、よりコート・ド・フランの 土壌に合う、カベルネ・フランを栽培するようになりました。

Le G de Château Guiraud 2014

火曜日, 1月 9th, 2018

Le G de Château Guiraud 2014

  • 生産地 ソーテルヌ地区ソーテルヌ村
  • 格付 AOC Bordeaux Blanc sec
  • 生産者 Château Guiraud
  • 品種  ソーヴィニヨン・ブラン70%/セミヨン 30%

  • コメント

極甘口ワインの最高峰AOCソーテルヌの格付け1級シャトー、Ch.ギローが自社畑の中心にある15haの区画から造る辛口白ワイン。柑橘系のフレッシュな果実味にハーブのような風味を持っています。

色合い 黄緑がかった、輝きと透明感のある瑪瑙色

香り  りんごやパイナップル、グレープフルーツ、白桃のアロマに、ハチミツ、ミネラル、ソーヴィニヨン・ブラン由来の青草のようなフレッシュなニュアンスが重なります。華やかな香り、ハーブの爽快なアロマとコクを持ち合わせています。

味わい  メロンや柑橘系果実の皮のような心地よい苦み、黄色いリンゴを思わせる果実味に穏やかな酸が溶け込み、時間の経過とともに肉厚な味わいへと変化します。セミヨン由来のオイリーな質感が見事に融合しています。ハーブやミネラルのニュアンスが綺麗に余韻まで残ります。

【畑】  ル・ジェ・ド・シャトー・ギローは、Ch.ギローが所有している畑の中心部にある15haの区画の十分熟しているものの貴腐化はしていない葡萄から作られている辛口白ワインです。品種はソーヴィニョン・ブラン70%、セミヨン30%で、平均樹齢は15年、1haあたり6600本の植え付けを順守しています。

土壌は砂交じりの砂利土が畑のほぼ80%を覆っており、残り20%は粘土砂利質の土壌です。更にその下の地層は、すべての区画において透明感のある砂と粒の揃った礫で構成される地層で、そこに赤い粘土や化石化した牡蠣殻由来の石灰岩交じりの粘土層、赤や白の粘土層が交錯しています。

収穫は、すべて手作業による房選りまたは子房選りで、貴腐化したものや、まだ緑が残っている房は除去します。

【醸造所】

プレスの後の一番搾りジュースだけを用い、取り出したジュースは、24時間の間は、摂氏10℃という低い温度で保管されます。

発酵は12-13℃で始まり、19℃で終えることになります。その発酵は前年グラン・クリュの貴腐ワインを製造したオーク樽の中で2週間行われます。熟成期間の最初の3-4か月の間は、中の澱を定期的に撹拌します。この樽内での熟成は通常は最低でも9か月は続けられます。

  • シャトー・ギローChâteau Guiraud

1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティーが支配人に就任した時です。その指導の下、大改革が行われたシャトー・ギローは厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを産しています。

1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。

  • 初めて樽発酵でボルドー辛口白ワインを造ったシャトー

樽を有効に使用するのが得意なプランティー氏によって、ボルドー辛口白ワインの中で初めて樽醗酵を行ったことでも有名です。樽醗酵および澱と一緒に熟成させることで、味わい豊かで複雑味を帯びた、まろやかな辛口白ワインを造り上げています。

 

Morey-Saint-Denis Trés Vielles Vignes 2013 /Henri PION

火曜日, 1月 9th, 2018

Morey-Saint-Denis Trés Vielles Vignes 2013 1188/1800 /Henri PION

  • 生産地 Morey-Saint-Denis
  • 格付け AOC Morey-Saint-Denis
  • 生産者 Henri PION
  • 品種  ピノ・ノワール100%
  • コメント

ビオロジック栽培の樹齢80年以上の古樹のみを使用したキュヴェです。Trés Vielles Vignesは英語で言うとVery old grape treeの意味です。

色合い  2013にしては縁が既に若干煉瓦色をしたやや明るいルビー色。脚はねっとりと落ちていく。僅かな濁りは醸造過程での軽目のフィルターのためでしょうか。

香り  ジューシーでキレイなややフローラルな赤い実の果実香主体で、甘草、グローヴのスパイスのニュアンス。エレガントで複雑なアロマが広がります。

味わい  エレガントでミネラルも低くなく、まったく固くない良いバランスしなやかな赤黒いベリーの果実味に、絶妙な加減の樽。香りのイメージより味付きしっかりで、時間ととものニュアンスに旨味エキスが増してくる印象です。アフターには旨味とともにミネラルが残り非常に心地よく感じます。

  • Henri PION MOREY-SAINT-DENIS 2013

モレ・サン・ドニは、ジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーに挟まれた、小さいながらも絶好な区画に位置している村。モレ・サン・ドニは、11~12世紀にシトー派の修道僧たちによって葡萄畑として開墾されたとても古い村なのです。

こちらはビオロジック栽培の樹齢80年以上の古樹のみを使用したキュヴェです。チェリーにわずかなスパイスのニュアンスが加わった、エレガントで複雑なアロマが広がります。ブラックチェリーの丸みのある果実味が、味わいに感じられます。年間に6樽1800本しか造られない貴重な1本です。

  • Henri PION アンリ・ピオン

アンリ・ピオンの当主オリヴィエとクリスチャン兄弟は、60年以上前から、DRCやヴォギュエ等ブルゴーニュ有名生産者のフランス国内販売を手掛ける老舗ワイン商ピオン社を経営しています。

二人の父で、ピオン初代のモーリス・ピオンはフランス北東部のレストランを中心に高級ワインを販売していました。当時はワイン商という職業は珍しく、モーリスの試飲能力の高さが評判となり一流の造り手から信頼を集めていきました。しかし、第二次世界大戦によってフランス各地の葡萄畑は荒廃、造り手達は造ったワインを格安でネゴシアンにバルク売りせざるをえなくなります。 モーリス・ピオンは造り手達にワインの元詰めを推奨し、彼等のワインを再び各地の高級レストランへと販売する手助けに夢中になったのです。 現在では「D.R.C.」に加えて、「ヴォギュエ」や「ルーミエ」など300件以上の優良生産者のワインをフランス国内の高級レストランへ卸してドメーヌ、レストランの双方から信頼を得ています。

アンリ・ピオンは、長年自ら選んだ良質のワインをネゴシアン・ワインとして消費者に届けたい と考えていました。ブルゴーニュの造り手とのコネクションを活かし、「良質で安定した価格のワインを造ることで、よりブルゴーニュを楽しんでもらいたい」 という父親の想いを 2 人の息子が実現。2013 年を初ヴィ ンテージとしてネゴシアン・ワインの販売を開始しました。 彼等は父の想いに敬意を表しワイナリー名をアンリ・ ピオンとしたのです。 「造るのはコート・ドールのみ。各AOCの特徴を素直に表現したワインを安定した価格でというアンリ・ピオンの指示の元で各生産者の蔵で樽熟成までを行い、その後ピオンで瓶詰め、販売を行うようにしています。 ホテル・リッツでもオン・リスト。「大量生産の大規模ネゴシアンになるつもりはない。 コネクションを活かして厳選した原酒のみを使って本物のブルゴーニュを造る」 初ヴィンテージの 2013 年は 23 キュヴェ約 35,000 本のみのリリース。ブルゴーニュ・ルージュでも 6,000 本。少ないキュヴェに至っては1銘柄あたり2樽/600 本にも満たない数。 全てのボトルにそのキュヴェの生産本数とシリアル・ナンバーが記載しています