Archive for the ‘vins de France’ Category

Bourgogne Chardonnay 2014/Etienne Sauzet

火曜日, 1月 9th, 2018

Bourgogne Chardonnay 2014

  • 生産地 コート・ド・ボーヌ地区ピュリニィ村
  • 格付け AOC Bourgogne
  • 生産者 Etienne Sauzet
  • 品種  シャルドネ100%
  • コメント

ピュリニー・モンラッシェ最上の造り手の一人エティエンヌ・ソゼのピュリニー村の3つの区画から造られた、1級畑を思わせる贅沢なブルゴーニュ・ブランです。葡萄はビオディナミ。自社葡萄と若干の買い葡萄を使用。10ヶ月の樽熟成の後、澱と共に6ヶ月のステンレスタンクでの熟成。

色合い 

少し草色がかった輝きのある黄色。灰色のニュアンスも。

香り

熟した柑橘系果実や甘い蜂蜜のアロマに魅了されます。熟した柑橘のアロマ、柔らかな酸とミネラルに続く、木樽熟成による上品なバニラやバターのニュアンスがワンランク上のクラスに匹敵する味わい。

味わい

なめらかな酸味、清廉なミネラルと、余韻へ繋がる木樽由来のバニラやバターのニュアンスが融合します。熟した果実の風味が口中いっぱいに満ち、パワーがありながら優雅さも感じられ、また骨格もしっかりしているので、 十分寝かすことも可能です。

  • ソゼのAOCブルゴーニュ・シャルドネ

使用されるシャルドネの平均樹齢は25年。収穫された葡萄は1/3はステンレスタンク、2/3は木樽を使用して仕込み、9カ月間のマロラクティック発酵まで行われます。その後、ブレンドし最後の2カ月間ステンレスタンクで熟成されます。多くのソゼのワインは、若いうちは樽の香りが前面に出ることが多く、長期熟成向けで、十分に熟成させないとワイン本来の味わいが堪能できないことが多いのですが、こちらはステンレスタンクと樽を使い分け、しかも新樽率は10%と、非常にデリケートな樽使いがされているのが特徴です。

  • Etienne Sauzet エティエンヌ・ソゼ

「ピュリニー・モンラッシェの造り手といえばエティエンヌ・ソゼかルフレーヴ」と言われるように、ソゼはピュリニー・モンラッシェで1、2を争う実力派の造り手です。モンラッシェをはじめ、シュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェの4つのグラン・クリュ、さらにはピュリニー・モンラッシェの9つのプルミエ・クリュ、そして村名ワイン、A.C.ブルゴ−ニュを含む全16銘柄を手掛けています。

ソゼ家はヨーロッパの葡萄品種に壊滅的被害を与えたフィロキセラ禍がフランス全土を襲う前、約150年前から葡萄栽培と菜園業を営んでいた歴史ある旧家。80年ほど前の1935年頃から、当時としては画期的な「ドメーヌ元詰め」を始め、フランス各地の著名レストランを顧客に直売してきたという先駆者でもあります。

ドメーヌに名を冠する創始者、エティエンヌ・ソゼ氏は1903年生まれ。1925年の結婚を機に、夫人の実家からもたらされた僅か数ヘクタールの相続畑を元にドメーヌを設立しました。年々畑を拡大し、戦後には12haあまりを所有するまでに成長。現在2代目当主を務めるジェラール・ブード氏はディジョン大学で醸造を学びワイン造りの道に入りました。その後、ヴォルネイの名門プス・ドールで経験を積み、1974年ボーヌの醸造学校で知り合ったエティエンヌ・ソゼ氏の孫娘ジャニーヌさんと結婚。翌年ソゼ氏が亡くなり、ジェラール・ブード氏がエティエンヌ・ソゼのドメーヌを引継ぎ、現在もワイン造りを行っています。

名声とともに、年々畑を拡大してきたエティエンヌ・ソゼですが、1991年にはエティエンヌの相続をめぐるごたごたから、所有する畑は3分の1に減少。4つのグラン・クリュは手元に残ったものの、減少した生産量をまかなうためには、他の農家から葡萄を買い付け、ネゴシアン方式によりワインを造る必要がありました。そのため、「ドメーヌ」としての看板を降ろさざるを得なくなってしまったのです。

葡萄を買い付ける契約農家はブード氏の栽培理念に賛同する農家のみを選び、そのほとんどを果実の状態で購入し、自らのドメーヌ内で醸造から出荷まで全て目の届く範囲で行っています。

Crémant de Bourgogne Blanc de Blancs Brut / Paul Chollet

火曜日, 1月 9th, 2018

Crémant de Bourgogne  Blanc de Blancs Brut NV

  • 生産地 Savigny-Les-Beaune村
  • 格付け AOC Crémant de Bourgogne
  • 生産者 Paul Chollet
  • 品種  シャルドネ 100%
  • コメント

白い花やフレッシュな果実味が爽やかで溌剌とした味わいが、きめ細かい泡の中に見事に溶け込み、さらにはその味わいは、瓶熟成16-18ヶ月という豪華シャルドネを樽熟成することで得られる深味と香ばしい風味が、見事に融合して、素晴らしい余韻を生み出しています。

色合い  きめ細かな泡立ち。柔らかな螺旋を描く繊細な泡が立ち上ります。

香り  レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果実香、瓶内発酵から生まれるブリオッシュの香ばしさが楽しめます。少しだけトースト香も感じられます。複雑さも。瓶内二次発酵で造られた、上品なスミレ、白い花、カマンベールも感じます。

味わい バランスの良い酸味がしっかりとしたお料理とも合います。

  • ポール・ショレPaul Chollet

ポール・ショレはブルゴーニュでは珍しいクレマン専門の造り手。1955年、サヴィニー・レ・ボーヌでポール・ショレ氏により創業、畑の栽培から醸造、ビン詰めまで自社製造しています。1970年にはクレマン・ド・ブルゴーニュのAOC認定に携わり、1975年のAOC認定と同時に、最初のクレマン・ド・ブルゴーニュを生産するなど、クレマン・ド・ブルゴーニュの歴史とともに歩んできたメゾン。いわばクレマン・ド・ブルゴーニュ誕生の立役者です。細やかな泡、豊かなボディ、そしてフィネス。テロワールを重視した複雑味と溌剌さを兼ね備えたクレマン造りを目指しています。時間をかけた丁寧な造りはシャンパーニュを彷彿させます。コート・ド・ボーヌ、コート・ド・ニュイ、オート・コート地区の葡萄を使用、酸度と糖度のバランスを重視しながら手摘みで収穫、マロラクティック発酵を行います。シャンパーニュのグラン・クリュの収穫の如く熟した葡萄のみを厳しく撰果。特筆すべきは瓶内熟成の長さ。クレマンの法的熟成期間は9カ月以上ですが、ポール・ショレは14~18カ月と長い。厳しい撰果と長い熟成により、豊潤な香りと果実味、さらに繊細できめ細かい泡を持つ秀逸なクレマンに仕上がります。

  • Crémant de Bourgogne

ワインの特徴 白ワインで、色は極めて淡い金色です。泡は細かく繊細な、真珠のネックレスを形成します。柑橘類、花、またはミネラルの香りが溌剌さとエレガンスのある味わいに加わり、酸もありますので、香りの強さと求められる軽快さとのバランスがとれるのです。ブラン・ド・ブランは白い花、柑橘類、青りんごの香りを放つ。ときとともにアプリコット、ピーチ、焼いたパンの香りに変化します。ブラン・ド・ノワールはチェリー、カシス、キイチゴの香り。口に含むと力強く、余韻が長く、熟成させると魅力あふれ、ドライフルーツ、蜂蜜、スパイス、ナツメグの香りが加わります。ロゼは Pinot Noir のみ、または Gamay とまぜて造りますが、ピンクゴールドの色合いで、繊細な赤い果実の香りが特徴的なデリケートなワインとなります。

ソムリエのおすすめ Crémants de Bourgogne はアペリティフに最高ですが、食中のワインとしてもパーフェクト。クレマンの白は前菜の、鶏のコンフィ 洋梨とドライフルーツ添え、なかでもブラン・ド・ブランは帆立貝や川魚、たこ酢とよく合います。ブラン・ド・ノワールはオックステールの煮込みやジャガイモと合わせたエスカルゴにピッタリです。家禽、ブレス産肥育鳥などとも。ロゼは花の香りが豊かで、デザートに向きます。アイスクリームとよく合い、食後に爽快感をもたらす。プティフールにもよく合うし、赤いフルーツのソルベと花の香りは完璧に合います。

CHATEAU BEYCHEVELLE 1990 / Saint-Julien

火曜日, 1月 9th, 2018

CHATEAU BEYCHEVELLE 1990 / Saint-Julien /4em classe en 1855

信じられないようなシャンパーニュやワインが出てきた後のこのワインに対して、思わず冷たい視線を送ってしまいました。いくら90年とはいえ、メドックの4級が、ラ・ターシュにかなうわけがない、と。
しかし、BEYCHEVELLE 1990 は見事に期待を裏切ったのです。ファースト・アタックのその滑らかさは、まるで絹のようでした。私は自分でワインを採点するときは最初のワインの舌触りを<絹漉し豆腐度>5点満点で表します。それで言いますと、5.0/5,0でした。酸と糖度のバランスも5.0/5,0。力強さやポテンシャルも、まだまだ数年は飲むことができるという点では4.8/5.0でしょうか。アフタも十分で上品な酸味が喉と鼻に漂い5.0/5.0でした。このような完全に近いワインは早々お目にかかれません。一寸バカにしていただけに、その反動は激しいものでした。

【CHATEAU BEYCHEVELLE 】
シャトー ベイシュヴェルは所有面積250ha中、90haでブドウ栽培を行っています。メドックの中心地に位置し、深い礫層に覆われた土壌はベイシュヴェルから北に向かってラトゥールの畑まで続いている、カベルネ種の栽培に向いた土地です。平均樹齢は30年、カベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン、プティ ヴェルドを栽培しています。減農薬法を行い、環境と人に配慮したブドウ栽培を実施、2005年には「Terra Vitis」の認証を得ています。また、2002年にはHACCP(食品製造における安全管理の手法)も導入、環境や安全に配慮しながら、伝統的な製法でワイン造りが行われています。
16世紀にこの城に住んでいたフランス海軍提督エペルノン公爵に敬意を払い、ジロンド河を通る船はこの城の前では「ベッセ ヴォワール(帆を下げよ)」と叫び、帆を下げて通っていました。この言葉が語源となり、ベイシュヴェルと名付けられました。シャトー・ ベイシュヴェルの城はボルドーで最も美しいと言われていますが、1757年にブラシエ侯爵が中世に立てられた城を取り壊し、その石材を使って建築し直した城です。

ベイシュヴェルでは17世紀中頃からワイン造りが行われていました。ブラシエ侯爵所有の時代頭角を現しますが、2代目がフランス革命により追放されて一時名声にかげりが見えました。しかし、その後パリの銀行家アルマン・アイン氏の所有に移り急速に復興します。彼の孫が亡くなった後、所有権が保険会社GMFグループに移り、1989年GMFとサントリーの共同出資会社グラン ミレジム・ド・フランス社の経営となりました。

LA TACHE Grand Cru 1989, / D R C

火曜日, 1月 9th, 2018

LA TACHE Grand Cru 1989, 04685  / Domeine de la Romanee-Conti

1989年のブルゴーニュということで10日ほど前にクロネコでH女史宅に送り付け、セラーに寝かせるのではなく、冷たいところで立てておくようにお願いしました。ブルゴーニュでもこれくらい古いと澱が出てきます。しかも、ブルゴーニュの赤は、澱が出始めると細かい澱となるので、デカンタージュをしても取りきれないことがあるからです。10日も立てておけば、これまで30年近く寝かせておいた瓶の中の澱も、瓶の底に沈むのです。

グラスにワインを注いだ瞬間、花のような香りが辺りに漂いました。注いでいる最中のワインの色合いは、まさに煉瓦色です。香りはまさに官能的、妖艶さが出ています。どのようにこの香りを表現したらよろしいのか、悩みに悩むところですが、下世話な表現が許されるならば、SEXYと言っても「すぐにお願いします」というSEXに直に結びついたセクシーさではないのです。自分のすぐ前に素晴らしいSEXに導いてくれるようなそんな目に見えない香りが漂っており、常に手招きをしてくれる、そんな官能的な香りなのです。
味わいはファーストアタックはもうこれ以上ないというくらいすべすべしていて心地よく、酸と糖分のバランスも、力強さも申し分ありません。しっかりしていますが、口に含んでいる間も、アフターも味わいというよりも、この妖艶な香りが常に口中にいる感じで、まるで体がふわふわ浮いているようでした。
1-2年パリのアパルトマンのカーヴで、以降日本の手作りのセラーで20数年保管してきましたが、壊れておらずほっとしたのと同時に、思っていたよりも何倍も、数段も美味しかったので、とても嬉しくなりました。

La Tâche
ロマネコンティの南に位置する「6.06ha」のピノ・ノワール種のブドウ畑で、DRCが単独で畑を所有しています。斜面の上下に広い畑のため、上部では重厚な、下部では繊細なブドウが採取されて、双方が交わりあうため、複雑で濃厚な味わいを生み出しています。
年間「約1,800ケース」が製造されており、1929年には「8万8125ドル」という値がついた記録も残されています。また、ラ・ターシュのワインは“悪いビンテージでも比較的安定して美味しい”と言われています。
色濃く、かなり凝縮された印象の味わいは、時に“ロマネコンティの腕白な弟”と呼ばれるほどで、独特の力強さと複雑さと強烈なアロマを感じさせてくれます。
力強いストラクチャーと類稀な長熟タイプであることのほかに、この偉大なワインはトリュフ、森の下草、なめし革、毛皮などの力強い第三のアロマを広げます。当然のことながら味の強い肉、ジビエ(蒸し煮、ソースまたはシンプルに網焼き)がよきパートナーとなり、また仔牛のローストやうずらのたたき湯葉巻きも、すばらしい Pinot Noir のしっかりしたエレガントなタンニンにくるまれることでしょう。(ブルゴーニュ・ワイン委員会)

ここで、簡単にDRCについて、まとめておきましょう。

【Vosne-Romanée 村】
Échezeaux (Flagey-Échezeaux) と Nuits-Saint-Georges に挟まれた Vosne-Romanée はCôte de Nuits 地区の真ん中を占めています。畑は標高 250~310mにあり、東と南東向きです。ブルゴーニュの首飾りの「真ん中の真珠」にあたる、Vosne-Romanée はエースを4つ集めるだけでは満足せず、世界的な名声のグラン・クリュを6つも抱えています。ヴェルジのサン・ヴィヴァンの修道士(クリュニー派)とシトー派の修道士が、1000年も前に、この類稀な terroirs を発展させました。18世紀、コンティ公は自らの名を畑の一つに与え(1760年)、以来その名前は畑とずっとともにあるのです。 Romanée-Conti は世界最良の畑の一つです(常にモノポール)。その隣の Romanée-Saint-Vivant は、高台にあり、現在修復中のサン・ヴィヴァン修道院の名がついています。ヴォーヌ・ロマネにある醸造所からここまで専用の小道があり、この周辺にあるDRC社所有のLa Romanée, La Tâche, La Grande Rue はいずれもモノポールとなっています。 Richebourg は金持ちの街という意味で、Vosne-Romanée の人気が昨日今日始まったのではないことが、この名前だけでもわかります。
Romanée-Conti は粘土質が多い褐色の石灰岩の表土(60cm)の上にあります。隣の Romanée Saint-Vivant も同じ土壌だがが、より深い(90cm)。斜面の上部は傾斜がきつく(12%)粘土質は少なくなる。 La Tâche と La Grande Rue は上部では褐色の石灰岩の浅い表土で、下部ではより深くなる(レンジヌ)。Richebourgの斜面も同様である。土台はPremeauxの硬い石灰岩。地質は1億7500年前のジュラ紀です。
これらの赤のグラン・クリュは長熟タイプで、通常少なくとも10年は寝かせることができます。20年から30年に及ぶこともあるほどです。それぞれがヴィンテージや熟成による変化にもとづいたはっきりした個性をもち、これらの華やかな赤ワインはブルゴーニュの Pinot Noir の繊細さ、複雑さを余すところなく表現しています。濃いルビー色は年とともに、真紅に変化し、口に含むと力強くはっきりとしたボディ、デリケートで官能的、ストレートで複雑さを感じることができます。

【DRC社の6つのグラン・クリュ畑】

★Romanée-Conti

醸造元を象徴する畑で、ドメーヌのもつ赤ワインの長所を凝縮した見事な味わいを生みだし続けています。壮麗、豪奢、神秘、奇跡、気品…と賛辞は限りありません。そのワインは信じられないほど長い間、口中に香りをとどめます。1.8haの全てを所有。 平均樹齢52年

★La Tâche

ロマネ・コンティ畑の南に位置し、斜面の上下に広がるため、上部の重厚さと、下部の繊細さがひとつになって奏でる独特の複雑な深みをもちます。色濃く、凝縮された印象のワインでしばしば「ロマネ・コンティの腕白な弟」と表現されます。6.1haの全てを所有。  平均樹齢年 45年

★Richebourg

ロマネ・コンティ畑のすぐ北に隣接。果実味に富んだ極めて魅惑的なワインで、熟成されるにつれて信じがたいような華やぎと官能的なまでの艶やかさを身につけていきます。その香りは「百の花の香りを集めてきたような」と形容されます。8ha中3.5ha所有。  平均樹齢年 39年

★Romanée-Saint-Vivant

ロマネ・コンティとリシュブールの東に広がり、斜面の下部に位置。繊細さの極みともいうべき風味の中に、大地からくるミネラルやハーブを思わせるようなニュアンスがまじり、特有の気品ある世界を織り成しています。9.4ha中5.3ha所有。  平均樹齢33年

以下はFlagey-Échezeaux村

★Échezeaux

グラン エシェゾーの西と南に広がる畑で、味わいはしばしば「グラン エシェゾーの弟」と表現されます。ドメーヌ ド ラ ロマネ・コンティのワインの中では最も早熟で、早くから楽しめます。軽やかで優美な、親しみやすいワインです。37.7ha中4.7ha所有。  平均樹齢31年

★Grand Échezeaux

ロマネ・コンティの北方約1km、有名なクロ・ド・ヴージョのすぐ西に隣接。赤や黒の果実の香りが凝縮されたようなまろやかで、コクのある極めて魅力的なワインを生み出します。「深い森を散策する夢見がちな貴族」という形容も。9.1ha中3.5ha所有。  平均樹齢51年

*Flagey-Échezeaux村のテロワール
Flagey-Échezeaux 村の上にあり、平地にある畑は、Côte de Nuits 地区の Vougeot と Vosne-Romanée の間にあります。畑はすべて東向きです。Grands-Échezeaux は Musigny 村の南に一列に並んでいて、境界はオルヴォー谷の下となっています。Échezeaux は Clos de Vougeot と Vosne-Romanée のプルミエ・クリュの畑を裁断するように存在しています。Grands-Échezeaux と Échezeaux は1937年7月31日にAOCグラン・クリュに認定されました。Clos de Vougeot 同様に12世紀から、13世紀にかけてシトー修道院により創設され、畑が壁で囲まれています。ガロ・ロマン時代には chesaux は住居のまとまりを指す言葉でした。おそらく古代の小集落だったのではないかと考えられています。
地質はジュラ紀(1億7500年前)。Grands-Échezeaux はかなり均質で、Clos de Vougeot の上部に類似しています(3~4%の傾斜, バジョシアン石灰岩盤に粘土石灰質の表土)。標高は250m。Échezeaux の表土はより変化に富むものです(通常バジョシアン泥灰土と表面に小石)。230~300mに Climats があり、中腹で13%の傾斜となっています。上部では表土が深く(70~80cm)、小石、泥土、黄色の泥灰土などで、かなり複雑なモザイク模様を呈しています。(ブルゴーニュ・ワイン委員会)

Batard-Montrachet Grand Cru 2000/Loius Jadot

火曜日, 1月 9th, 2018

Batard-Montrachet Grand Cru 2000/Loius Jadot

正真正銘、世界で一番美味しい白ワインのうちの一つです。このBatardは2000年、先ほどのLE MESNIL よりも10年若いのですが、それでも琥珀色に光り輝いています。
香りは、バタール独特の濃厚さや柔らかく分厚いシャルドネの壁を感じたのですが、そのほかに微かにシェリー香も。
シェリー香(英:nutty/仏:arome de sherry)というのはその名のとおりスペインの世界三大酒精強化ワインの一つであるシェリーが持つ独特の香りです。これは樽貯蔵中に、産膜酵母と呼ばれるサッカロミセス・バヤヌスが繁殖することでエチルアルコールが酸化されてアセトアルデヒドに転じ発生する香りで、ロースト・アモンドの香りに例えられます。 酸化臭であるシェリー香は、シェリーが持つ独特の香りとして親しまれていますが、シェリーではない一般的なワインからこの酸化臭が見られると評価が下がります。しかしシェリーのほかにも、熟成を経た白ワインやシャンパーニュからこの酸化臭が生じても、それは熟成を経た証拠として好まれる傾向があります。

味わいも、まだ枯れてはなく力強さもあり美味しいのですが、このシェリー香が邪魔して、素直に味を楽しむことができませんでした。しかし、次の赤ワインに移り、暫くした時、M嬢が「あーっ、バタールが戻ってる!美味しいですよ!」とわけのわからぬ叫びを。そんな馬鹿なと思いつつも、グラスに鼻を近づけてみると、確かにシェリー香がしないのです。口に含んでも、飲み込んでも。シェリー香は消えていました。私も人並み以上に古酒は頂いていますが、シェリー香がついたワインのシェリー香が消えたというのは、初めての経験です。バタールは本来のバタールになり、熟成の味わいも加わり、私が個人的にいただいたトップに掲げられる白ワインとなりました。これこそ世界一の白ワインと称されるコート・ド・ボーヌ、バタール・モンラッシェGCのワインでした。

LE MESNIL Grand Cru Blanc de Blancs 1990/Alain Robert Pere et Fils

月曜日, 1月 8th, 2018

1月7日都内某所の友人のシニア・ワイン・エキスパートH女史宅でわたくしともう一人ソムリエールM嬢の3人が集まり、例年より少し遅めとなりましたが、恒例の新年会を開きました。
それぞれお宝のワインを持ってくるのが常なのですが、今年はかなりのワインが集まりました。最初は無類のシャンパーニュ好きのH女史のセラーからトン禅のシャンパーニュ。出てきたのはアラン・ロベールのブラン・ド・ブランでした。しかも・・・。
LE MESNIL Grand Cru Blanc de Blancs 1990/Alain Robert Pere et Fils

出てきたメニルは、もうかなりの琥珀色です。輝きのある色合いで素晴らしい存在を示しています。残念ながら泡は立ち上るというほどではなく、口に含むと微発泡が感じられるくらい。しかし、その濃厚さは、凛として、シャルドネの良さを表しています。

【ALAIN ROBERT】
サロン、クリュッグと並んで、ブラン・ド・ブランの三傑と言われ、パーカー氏からも5つ星の評価を受けたアラン・ロベール。近代化が進む中でも、「いいものだけを作る職人でありたい」と、伝統的製法を頑なに守るメゾンでした。今は幻のシャンパーニュとなりつつあります。

アラン・ロベールは、シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区の、ル・メニル・シュール・オジェ村(グラン・クリュ村)を拠点とし、17世紀からの歴史を持つRM(レコルタン・マニピュラン=自家栽培の葡萄でシャンパーニュを造る小規模生産者のこと)の生産者です。現当主は、10代目のアラン・ロベール氏で、自社畑のシャルドネのみを使った、長熟型のブラン・ド・ブランを作るメゾンです。

ル・メニル・シュール・オジェ村のシャルドネは、ミネラル感がとても高く、作られるシャンパーニュは、若いうちはとても硬いので、ロベール氏は、ゆっくりと十分に熟成をさせてから世に送り出していました。「シャンパーニュを作るのに、時間がかかるのは当然のこと」と悠然としていて、また「いいものだけを少量生産する職人でありたい」と、例えばデゴルジュマン(澱引き)も、受注してから行うことにこだわります。するとボトルの中でより長く、澱とともに寝かせられる分、複雑味を増したシャンパーニュが生まれるのです。

PR活動もせず、流通量も少なく、知る人ぞ知る存在のアラン・ロベールでしたが、ロバート・パーカー氏から、最高の5つ星生産者の評価を受け、一躍有名になりました。しかし残念ながら、1990年を最終のヴィンテージとして、すでに畑は売却され、新規の醸造は行なっていません。現在は、残りの在庫を少しずつ出荷しています。

このまま濃厚なワインばかり頂いていると、サラダやスモーク・サーモンなどに合うワインがない、とセラーから選ばれたニュー・ジーランドのリースリング。豪州やニュー・ジーランドは割合良いリースリングにぶつかることが多いのです。ニュー・ジーランドでは、リースリングから遅摘み方式で作られる極甘口ワインも忘れてはいけません。今回はすっきりタイプのリースリングです。