Archive for 1月, 2018

広辞苑第七版で思い出した22年前のある事

火曜日, 1月 30th, 2018

1月12日、10年ぶりに改定版が出版された岩波書店の『広辞苑第七版』にはおよそ1万の新語が掲載されたそうです。しかし、その中の二つの意味が間違っていると指摘され、話題になっています。25日に岩波書店はこの過ちを認め、岩波の公式サイトに訂正を載せる一方で、次版では訂正する旨の声明を出しました。
ワインを長く愛されている方ですと、岩波が間違った、と聞くと「そういえば・・・」と思い出すことがあるのではないでしょうか。

その本とは1996年に刊行された岩波新書『ワインの常識』で、帯には「ワインは難しいか?日本人のためのワイン入門」と謳っています。ちなみに岩波の公式サイトでは<ワインというと肩に力が入りがちだが,こよなく楽しいこの「液体の食物」をもっと気軽に生活にとり入れるにはどうしたらいいか.それにはワインは難しい,ワインは銘柄ものに限るといった偏った常識から自由になる必要がある.豊かな実践経験をもつ著者が,日本人ならではの仕方でワインに親しむための知識と知恵を伝授する.>と紹介されています。あの岩波新書がワインの本を出すというので、当時注目を集め、ソムリエの資格を取って2年目の私も、すぐに買いに行ったものです。確か9月頃の発売だったと思いますが、年を越すころには、10刷となっていた記憶があります。それだけ注目され、売れたということです。

ところが、読み始めてすぐに眉をひそめるような表現や、誤りに出くわしました。私はすぐに間違いをチェックするために、もう一冊買い足すと同時に、知り合いの割とインテリなワイン好きの人々に連絡を取ってみました。中には同じようにこの本に違和感を感じている人もいました。暫くすると知人である著名なワイン・マニアがこの本の誤りを書籍にするためにまとめている、という情報が入りました。当時、まだ電子メールなんていうものはありませんので、私が確認した部分をその方にお送りいたしました。

この本は220ページの新書としては標準的な分量です。しかし問題はその誤りの数でした。『広辞苑第七版』は新しく追加された1万語の中で過ちは二つ。『ワインの常識』の場合は、優に200を超えるのです。

間違いがあると気づいて、探し始めると、面白いことに、間違いと断定する物差しがだんだんとぶれてきます。また、読む人によっても間違いではないが表現が妥当ではない、などというところまで、誤りに分類されてしまいます。いろいろ聞いてみましたが、この岩波新書の『間違い』は200から270と言ったところでした。まぁ、コンスタントに、1ページに一つ間違いがあると思って宜しいでしょう。こんな『ワインの常識』の本ですから、ワイン初心者にはとてもお勧めできません。「日本人のためのワイン入門」なんてとんでもないことです。ただし、長くワインを学んでいらっしゃる方、ソムリエ協会の資格でも取ってみようという方にはぜひお読みになることをお勧めします。<ワインの常識>に関する非常に良い問題集と言えます。残念なことに、現在書店では手に入りません。岩波の公式サイトでは、絶版ではなく、品切れとなっています。権威ある岩波新書、200を超す誤りを認めたくないのでしょう。

それではどのようにこの問題集を手に入れたらいいのでしょう。ご安心ください。amazonで何と1円から中古を買うことが出来ます。
問題集を買ったはいいが、答え合わせは??これもご安心ください。人間の科学社から『岩波新書「ワインの常識」と非常識』という本が出ています。これもamazonで中古本をお探しください。

話は、『広辞苑第七版』に戻ります。こうした出版社が力を入れている本を出す際には、出版社側は販売協力費という「お金」を書店側に出すことが往々にしてあります。『広辞苑第七版』の場合、岩波書店が出すのは、20部売ると、5000円、100部売ると3万5千円、500部売ると25万円という具合になっています。
『広辞苑第七版』は普通版が9000円ですから、500部ですと、4,500,000円売り上げると25万円キックバックがあるということです。
その分安くするか、間違えたところを直せるようなシールでも配ればいいと思うのですが。サイトで公開しておしまいにする、というのは、岩波書店というのはどこまで読者のことを考えない出版社なのでしょうか。

ちなみに、私の手元にあるのは大学時代から使っている第四版、電子辞書の中に入っているのは、第六版です。よく使うのは、三省堂の『国語辞典』です。

フランスで乳児用ミルクからサルモネラ菌

月曜日, 1月 15th, 2018

 

パリ近郊に住む私の若き友人が12月末元気な男の子を産んだという喜ばしいニュースが届きました。3500g、51,5cmだそうです。大きいですね。

さて、そんな赤ちゃんを持つお母さん方に心配な事件がフランスで持ち上がっています。大手乳製品メーカーの乳児用の粉ミルクがサルモネラ菌に汚染されていたというのです。

この話はやや複雑です。去年8月大手メーカーのLactalisが自社で行った検査で、サルモネラ菌を発見したものの、Lactalisは「サルモネラ汚染の報告は法律で義務付けられていない」と主張、当局に届け出ることをしませんでした。しかしその後、特ダネで有名なフランスの週刊紙カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)は、当のLactalis自身が認めているのもかかわらず、政府の検査官が昨年9月上旬に北西部クラオン(Craon)にあるラクタリスの工場に問題なしとの証明書を与えていたと報じたため問題は大きくなりました。

その後の報道によりますと、汚染は、クラオン工場の乾燥施設で5月1日から6日にかけて発生したと考えられています。また8月と11月に工場で採取された標本から、サルモネラ菌が発見されましたが、Lactalis社によりますとこれは製品自体ではなく、清掃具と床から採取された標本であるとのことでした。

しかし、実際にフランス国内で乳児の被害が報告されるようになったのです。フランス当局の発表では、フランス国内で35人の乳児のサルモネラ菌による被害が確認されたほか、スペインでの1人の被害が報告されています。
こうした被害を受け、昨年12月中旬、Lactalis社は、同社の「Milumel」「Picot」といったブランドの乳児用ミルクを昨年12月中旬、世界規模でのリコール対象としました。

最近の報道(2018/01/14)では「影響が及んでいる国々は83か国に上っており、これらの国々ではこれまでに粉ミルク1200万箱が回収された」とのことです。

ミルクの汚染というと、「森永ヒ素ミルク事件」を思い出します。事件の発端は1955年ごろでした。事件は西日本を中心に表沙汰になりました。わたくしは小学一年生でしたが、新聞やラジオで大きく扱われるようになった頃妹が生まれたので、ひとごととは思えず、子供心に心配したのを覚えています。
妹が産まれた1956年には、ヒ素中毒となった乳児は13,000人、死者は130人に上りました。しかし、今から思えばこの頃はまだ水俣病でさえ顕在化する前でした。被害者には、満足のいく救済措置は取られませんでした。
しかし、1970年ごろになると、中毒者の中に明らかにヒ素中毒による後遺症が出ていることが確認され、「消費者運動」から裁判闘争、森永製品不買運動へと広がりを見せました。
運動は、あの中坊公平弁護士が中心になって続けられ、1973年には森永ミルク中毒の子どもを守る会(、国、森永乳業の三者により、「確認書」が締結され、被害者を恒久救済することで合意し、森永乳業は救済資金を拠出することを約束することになりました。

乳児用ミルクにヒ素が混入した現場である徳島工場が閉鎖されたのは、2011年、死者が出てから55年後でした。

Lactalis社のミルクは日本には入っておりません。工場は違うので問題はないとは思いますが、PRESIDENTというブランドのチーズはLactalis社のものです。■

 

Château Guiraud 2005

日曜日, 1月 14th, 2018

Château Guiraud 2005

  • 生産地 ソーテルヌ地区ソーテルヌ村
  • 格付 1855ソーテルヌ第1級格付け
  • 生産者 Château Guiraud
  • 品種 Sauvignon Blanc 50%/Sémillon 50%
  • コメント

色合い 輝く黄金色です。脚もゆっくりなだらかに下っていきます。

香り  マンダリンやタンジェリンのようなオレンジ系のアロマ、野獣めいた香り、ついでカラメルの香りを押し流すように蜜につけた桃。杉の葉ではなく皮の香りもして、強く甘く堂々としたニュアンスです。サフランやエキゾチックなフレーバー、オレンジの皮のようなビターなニュアンス、アフターに甘いスパイス。
30分後、柔らかで丸い香りとなり、樽香や杉の皮の香りはおさまりました。10日後、香りは清楚に。藤の花の香りが押し寄せる感じです。初日の野獣のような印象からすっかりいい女となりました。

味わい  蜜、とろけるような液体、きれいな甘みにうまく絡んでいる酸味。圧倒的に複雑な味わいです。他のソーテルヌとはちょっとスケールが違う感じがします。 なんとも美しく瑞々しい味わい。そして長い長い余韻があるのです。

  • Château Guiraud2005の評価

2005年ヴィンテージはシャトーを代表する傑作となりました。レモンタルト、焼きりんご、ヴァニラ、トロピカルフルーツ、蜂蜜などの風味が重層的に口中に広がり、長い余韻を堪能出来る美酒です。ワインスペクテーターで大絶賛され、2008年末に発表されたワインスペクテーター誌の【2008年TOP100】では堂々の4位にランクイン。これはフランスワインでは2位のシャトー・ローザン・セグラ2005に次ぐ順位で、2005年のソーテルヌではシャトー・ディケムと同点の最高得点を獲得したのです。パーカーポイント95点です。

「2005年のGuiraudは2004年のそれに比べてわずかではありますが、持っている香りが低いと言えます。しかし、乾いた蜂蜜やマーマレード、そして液体に空気を含ませると僅かばかりですが、石油系のニュアンスがあるなど大変複雑な香りで構成されています。
味わいは、最初に粘着性を感じ、次にぱりぱりしていると言えるようなはっきりとした酸味があり、蜜蝋とアーモンドの味わいが最後まで調和して長く続きます。
試飲時(2013年4月)から言うと、少なくともあと2-3年は寝かせていたほうが良いワインです。2016年から2030年が飲み頃と言えるでしょう。」(Wine Advocate)

●Château Guiraud
1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティー氏が支配人に就任した時です。氏の指導の下、大改革が行われた『シャトー・ギロー』は厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを産しています。ロバート・パーカー氏も『グザヴィエ・プランティーのおかげで、今このシャトーは絶頂期にある』と評価しています。2006年にプジョー・シトロエンのロベール・プジョー氏、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのオリヴィエ・ベルナール氏、カノン・ラ・ギャフリエールのステファン・フォン・ナイペルグ氏、ギロー支配人のグザヴィエ・プランティー氏による共同所有となりました。

●100%オーガニック、格付1級で初の有機認証を獲得したシャトー。
近年、ワインスペクテーターやジェイムス・サックリンなど、世界的なワイン評価誌でも高く評価されているシャトー・ギロー。その秘密の一端を担うのが、有機栽培です。

ギローは、1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。

有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。

●この変化はたった5日間で

ソーテルヌの独特の風味を生みだすのはボトリティス・シネリア菌(貴腐菌)ですが、貴腐がつくのは完熟したぶどう。5日間くらいで一気に変化が見られるそうです。

■貴腐葡萄
■ソーテルヌ地区概要

Bourgogne Chardonnay 2014/Domaine Famille Picard

日曜日, 1月 14th, 2018

Bourgogne Chardonnay 2014

  • 生産地 ブルゴーニュ地方
  • 格付  AOC Bourgogne
  • 生産者 Domaine Famille Picard
  • 品種 シャルドネ100%
  • コメント

フレッシュ感と綺麗な酸味で飲み飽きない美味しさが楽しめます。柑橘系やリンゴのような豊かな果実味と、控えめな樽香が見事にバランス。 適度なコクが楽しめ、爽やかな酸味がすがすがしい上品なシャルドネの滑らかな喉越しのワインです。

コート・ド・ボーヌ(20%)とシャロネーズ(50%)とシャブリ地区(30%)のシャルドネ種を収穫後ステンレスタンクで発酵させ、小樽(228リットル)で8ヶ月熟成。

良く冷やしてアペリティフに、シーフード、甲殻類、白身魚のムニエル、お寿司などに合わせて。

  • Domaine Michel Picard

ミッシェル・ピカールはフランス・ブルゴーニュのドメーヌ所有者として、またネゴシアン(葡萄やワインを買って造る酒商)として第一級の評価を受けるメーカーです。

コート・ド・ボーヌのシャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェに本拠を置き、ブルゴーニュ各地に合計135haの自社葡萄園を所有する生産者であり、ドメーヌしての規模はブルゴーニュのベスト3に数えられます。 取り扱い内容はブルゴーニュ全体に及び、ミッシェル・ピカールの商標でフランス国内は元より世界の市場に送り出しています。また、オスピス・ド・ボーヌの最大手落札者としても有名です。

  • シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェ

シャサーニュ・モンラッシェ村の入口にあるこのシャトーは、14世紀からの歴史あるものですが、現在は大手ネゴシアンとして知られるミシェル・ピカールの本拠地となっています。ミシェル・ピカールは、コート・ド・ボーヌとコート・シャロネーズに135ヘクタールの畑を持ち、6つのワイナリーを営んでいます。シャトー・ド・シャサーニュ・モンラッシェはそのひとつで、クオリティ志向のワイン造りを進めるミシェル・ピカールのフラッグシップ・ワイナリーの位置付けとなっています。どんなことでも新しい試みには、それなりの資金が必要になるものですが、ワインの世界でも、常に資金力のあるところが参入して、新陳代謝が行われてきました。そういう意味では、こうしたネゴシアン大手が、トップエンドのワイン造りを行うために投資するのは歓迎すべきことに違いないでしょう。いずれ、シャサーニュ・モンラッシェの代表的な生産者となると思われます。

  • シャサーニュ・モンラッシェ

Côte de Beaune 地区の南にある Chassagne-Montrachet は、辛口白ワインのなかで揺るぎない立場を Puligny-Montrachet と分かち合っています。中でもモンラッシェ畑は神格化されています。素晴らしい畑が、広く美しい斜面にブルゴーニュを代表する2大品種の Pinot Noir と Chardonnay が terroirs の複雑性を考慮され並んでいて、その真価を発揮しています。大理石の大きな石切り場があり、パリのトロカデロ、最近ではルーヴルのピラミッドに、ここのピンクとベージュの大理石が使われました。AOC の認定は1937年。標高 220~325mの斜面に広がります。テロワールterroirs は頂上から、ローラシアンの絶壁、ジュラ紀カロビアンの急斜面、アルゴヴィアン泥灰土、ジュラ紀バトニアンの石灰質などと複雑な様相を呈しています。 Climatsによって、ジュラ紀地層の石灰質、砂利質、泥灰質、より砂質と多様です。

 

Château Soutard 1986

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Soutard 1986

  • 原産地 リブルネ地区サンテミリオン村
  • 格付け AOC St.-Emilion Grand Cru Classé
  • 生産者  Château Soutard
  • 品種 メルロー60% カベルネフラン40%
  • コメント

サンテミリオンでは最も歴史のある伝統的なつくりのシャトーとされる”スータール” 。ほとんどのヴィンテージが20~25年以上持ちこたえ、暗くて非常に濃いルビー色をしており、強烈でタンニンの強い獰猛さがあって、若い内は飲む人を遠ざける程と言われています。リッチなスタイルで、果実味、タンニン共に非常に豊かな長期熟成型。

色合い  濃縮感のある深い色合い。縁はガーネットに美しい輝き。

香り   芳醇な黒系果実に、熟成した“ボルドー”の香り。ちょっとホコリっぽい熟成感。熟した果実の甘いニュアンス、黒いベリー系に甘草などのハーブの香り。ドライフルーツ、土、古い木、鉛筆の削りかすの香り、工場の鋼材の感じ。奥に黒胡椒やバニラ、インク、腐葉土、少し清涼感を感じさせるミントも。遠くにローズ香。非常に複雑・多岐です。

味わい  ヴォリューム感に富んだタンニンを備えた豊満な味わい。メルローのまろやかさとカベルネフランのしなやかさ、若いうちは強いタンニンで感じにくいのですが、1986は長期熟成により濃密な気品のある味わいとなって表れてきます。タンニンもこなれて軽さすら感じます。思いのほかまろやか艶やか色気がタップリ。ブルゴーニュのように妖艶。

  • 1986のChâteau Soutard

スータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

メルローを主体にカベルネ・フランをブレンドし、新樽熟成による複雑味のおびたアロマ、豊富な果実味の中にもバランスの取れた酸や、シルキーなタンニンが感じられます。86年はボルドーの偉大なヴィンテージの一つ、そのポテンシャルをダイレクトに感じられる1本です。ベリー系果実の華やかな風味やスウェード生地のような滑らかな舌触りが感じられ、メルローらしいきめの細かいタンニンが特徴です。

  • ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」PP86

「スータールはいまだにサンテミリオンのアペラシオンで最も長命なワインの1つである。当主がわざとあり余るほどのエキス分や口の中がカラカラになるほどのタンニンを詰め込んで、20年は持ちこたえることが確実なワインにしていることは間違いない。この年のワインも非常に内向的で、出し渋りをする。タンニンのレベルは途方もないが、リッチな、エキス分の多い、凝縮感のある果実味も感じられる。予想される飲み頃:〜2018年。」

  • シャトー・スータール / Chateau Soutard

ボルドー・サンテミリオン地区で1762年より同一の一族によって所有されていたボルドーの歴史の中でも非常に長く、珍しい歴史をもつシャトー(現在は保険会社の所有)。優良なヴィンテージは、最低20年は待ってから飲むべきと言われる同シャトーのワインは、クラシカルな長熟タイプで、清澄やフィルターによる濾過を一切行わず、30%程の新樽熟成を経て非常に遅い時期にボトリングされます。サンテミリオン地区の北部に位置する非常に高い位置にある葡萄畑は石灰質土壌、粘土質土壌、砂質土壌とバリエーションに富んでおり、それぞれの畑の葡萄を混ぜ合わせることで、味わいに深みと複雑さを与えています。リリース当初のスータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

Château Sociando-Mallet 1995

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Sociando-Mallet1995

  • 原産地 Haut-Médoc, St-Seurin de Cadourne村
  • 格付けAOC  Haut-Médoc
  • 生産者 Château Sociando-Mallet
  • 品種 CS 55%、Me 42%、CF2%、PV1%
  • コメント

色合い  光を通さないほど濃いルビーから紫色を凝縮された紫色。経年変化で、青のニュアンスが消え、煉瓦色が混じる。

香り   湿った木や、ほこりのようなイメージなどがあり、図書館や古本屋のようなイメージを想起させるクラシックな・落ち着きのある印象の香りです。鋼鉄の板、ミネラル、ブラックチェリー、黒カシス、微妙な樽香クレームドカシス、砕いた岩や春の花の豊かな香り。腐葉土のような枯れ感にインク。

味わい  非常にコクがあり、シルクのような滑らかなタンニンです。ミディアムボディーで、この年のワインとしてはタンニンが強く、余韻の長いフィニッシュで、凝縮感や純粋さは優良から秀逸。

▼1995のChâteau Sociando-Mallet(インポーター資料)

香りは湿った木のような香りに腐葉土。キノコのような香りなど、熟成に起因する香りが豊かに香ります。

果実味は無花果のようなイメージがしっくりと来る落ち着いた果実の香りがあり、鉛筆の芯のような硬質的な香り、また、餡のような甘く香ばしい香りもあります。また口の中ではカンゾウのような漢方薬のイメージ。

依然としてそのボディは拡散的ではなく凝縮したビターさを残しています。芯を保ちながら熟成感が出ており、ボディは多少ボリュームが足りないような中庸な印象の一方で、綺麗にまとまっています。余韻はコショウのようなスパイス、腐葉土、インクのようなニュアンス。

▼ロバート・パーカーの評価 1995年PP90

「近づきやすいのにタニックなソシアンド・マレだ。深みのあるルビー/紫色をしており、秀逸な香りはジャムにした様なブラックチェリー、ブラックベリー、カシスを思わせ、ミネラルや土、新樽を思わせる微妙な趣もある。深みがあり、余韻が長く、筋肉質で、タニック。予想される飲み頃 ~2025年」

▼1995年のボルドー・ワインの出来

ボルドー地方は巨大な収穫量でしたが間引きによって生産量は少なめ。メルロー種は大成功で、カベルネも重くタンニンが強く長期熟成ワインです。高品質で秀逸したヴィンテージ・ワインは価格が高騰しています。

  • Château Sociando-Mallet

もしメドックの格付けの見直しが行われたら確実に3級以上に上がってくる、と言われているシャトーです。フランス国内での評価が非常に高く、ほぼ国内で消費されてしまい日本での知名度はさほど高くありません。シャトー・ソシアンド・マレは、サン・テステフ村に隣接するサン・スラン・ド・カドゥルヌ村のシャトー。17世紀半ばにシャトーを所有していたソシアンド氏と、1850年の所有者の未亡人、マレ女史の名をとって名付けられました。このシャトーの輝かしい歴史は、1969年に荒廃していたシャトーをジャン・ゴートロー氏が購入した事に始まります。彼は、ソシアンド・マレをメドック格付け外シャトーの中で最も美しいワインとすることに尽力した人物。2003年以降クリュ・ブルジョワの自らのシャトーの格付けに対して納得できず、クリュ・ブルジョワの中でも最上位のクリュ・ブルジョワ・エクセプショネルの格付けを返上。「格付けシャトーでもブルジョワシャトーでもなく、ソシアンド・マレである」とし、 格付けには分類されない立場を貫いています。

所有する畑は、非常に日当たりも良く、砂利も多いため水はけも良い素晴らしい土壌の卓越した畑で、1ha あたりの植樹植度の高さ(8000本)や徹底した手摘みと選果の技術が同業者からも高く評価されています。100%新樽使用など、醸造にも妥協のない徹底ぶりがうかがえます。仏国内での評価が高く、ほとんどが国内で消費されてしまうため日本での知名度は高くなく、知る人ぞ知る、通好みのワインとして愛されています。昔ながらの製法を守り、骨格のしっかりとした、非常にエレガントなワインを造り続けているシャトーです。

POMMARD 2004/ Le Domaine PARENT

火曜日, 1月 9th, 2018

POMMARD 2004

  • 原産地 Côtes de Beaune地区Pommard村
  • 格付け AOC Pommard
  • 生産者 Le Domaine PARENT
  • 品種 ピノ・ノワール100%
  • コメント

【樹齢】35~45年

【土壌】粘土・石灰岩

【醸造】100%除梗、5日間の低温浸漬。1日2回のピジャージュを行い18~20日間発酵。

【熟成】オーク樽16~18ヶ月(新樽30~40%)

色合い 赤紫がかったルビー。粘性はまぁ高め。

香り   香りにはバラやアカシア、お香のような上品な芳香とともにシロップ漬けのラズベリー、ストロベリーやチェリーなどの赤い果実を印象づける。続いて八角やシナモンなどのスパイス、紅茶の香り、品の良いバニラのノートが複雑に混じり合う。

味わい アタックはソフトでなめらか。エキス分に富む豊かな果実味が染み渡るように広がり、丸みを帯びたタンニン、溶け込んだ酸味が絶妙のハーモニーを奏でる。アペラシオン特有の力強くしっかりとした構造が明確に表れており、何よりも果実味と酸味、渋みとが完璧なまでの調和を見せる。しっとりとしたシルキーなテクスチャー、フィネスが感じられる優雅なアフター。

  • ドメーヌ パランDomaine Parent

偉大なブルゴーニュワインの造り手と知られるパラン家は17世紀半ばにヴォルネイに葡萄栽培の第一歩を築き、1803年、その居を移したポマールで現在のドメーヌ・パランの基礎となるワイナリーを設立しました。伝統的技法と最新の技術の融合、そして忘れてはならないのは完璧なワインを求める厳格なワインに対する精神です。エティエンヌ・パラン氏とアメリカ合衆国第3代大統領、トーマス・ジェファーソンとの親交をきっかけとしてドメーヌ ・パランがホワイトハウスへのワインの納入業者となったのは有名な話です。フランスのみならず世界中を魅了し続ける彼らの造るワインは、力強いスタイルで色合いも深く、しっかりとしたボディとアルコール度数が高いことをその特徴としていす。ポマールを中心として約25haの畑を所有し、17世紀半ばから今日に至るまで脈々と引き継がれてきた完璧なワインを求める精神は今も12代目当主、アンヌ・パラン(写真)と妹のカトリーヌに引き継がれ、パラン家の歴史と伝統を重んじながらも、より柔らかさとエレガンスを持った女性の感性がいきたスタイルに進化しています。葡萄は鉄の酸化でところどころ赤く染まった粘土石灰質の土壌に植えられています。これはピノ・ノワールとシャルドネの栽培にまたとない条件を提供しています。早くより、土壌と環境に対する配慮から、有機栽培ならびにビオディナミ農法を採用し、人間の健康とテロワールを尊重した葡萄栽培に取り組んでいます。収穫も手作業で行われています。

  • AOCポマールの気候・風土

ポマール(Pommard)は、中央にデューヌ川がつくりだした谷があり、谷を境として南北それぞれに丘陵が広がる地形です。この南北の丘陵は、土壌の面でも違いがあります。南側区画のレ・リュジアン、レ・シャンラン、レ・プチュール、レ・ジャロリエール、レ・フルミエなど、ヴォルネイ村に接する地域の土壌は、赤みを帯び、鉄とミネラル分が豊富。小石や粘土が多い泥炭土や褐色石灰岩質の土地で、男性的な香りの強いタニックなもの。ボーヌ村に近い北側区画のレ・ゼプノ、レ・ペゼロール、レ・ザルヴレ、レ・ザルジリエール、レ・クロ・ド・ラ・コマレーヌ、ラ・ルフェーヌ、クロ・ブランは、粘土、石灰、酸化鉄の混じる泥炭土や褐色石灰岩質の土壌となっており、しなやかさのある女性的なバランスの良い妙味が味わえます。

  • AOCポマールのワインの特徴

ポマールの赤ワインは、アメリカをはじめ世界中で人気。60年代のアメリカでは、ブルゴーニュワインの代名詞にもなったほどです。熟成期間4~12年が飲みごろと言われ、長期熟成に耐える豊富なタンニンを持ったワインならではの楽しみ方の多様さも魅力です。熟成初期のうちにはフローラルなピノらしい赤果実のアロマを楽しめます。ローズとシャクヤクがほのかに香るような、ふっくらとした口当たりが特徴です。

BOURGOGNE 2002

火曜日, 1月 9th, 2018

BOURGOGNE 2002

  • 原産地 Côtes de Nuits地区Nuits-St.-George村
  • 格付け AOC Bourgogne
  • 生産者 Sérafin Père & Fils
  • 品種 ピノ・ノワール100%
  • コメント

色合い 赤みの強い濃いルビー色、粘性は高い。

香り   黒系果実にスパイスのアロマ、イチゴやブルーベリーなど果実香に溢れ、そこに紅茶やキノコなどの複雑な香り、苺系の上品な香りも合わさる、典型的なピノ・ノワール種のイメージです。ボリューム感があり甘露で肉感的で厚みのある香り。

味わい AOCブルゴーニュとは思えない素晴らしい味わい。見た目そのままの濃さや洗練された果実味が口中に広がる。肉厚な印象。シナモン、黒砂糖、バニラ、八角の様なふくよかな甘みとジャムの様なダークチェリー、ブルーベリーの果実味。

飲み進むとさらにボリュームが現れ、タンニンは柔らかく、酸味と共に溢れ出る旨味とコクがしっかり感じられる。酸味、渋みは程よく調和している。

(山) セラファンのワインは、どれも雑味の無い澄んだ果実味と華やかさを備えています。その旨味は村名から一級まで驚く程滑らかで官能的、妖艶。どの要素もつけいる隙が無いくらい美味いといえます。

  • セラファン・ペール・エ・フィス Sérafin Père et Fils

1947年、ポーランド移民のスタニスラ・セラファン氏によって創設されたこのドメーヌは、前当主である息子のクリスチャン氏によって1960年代から徐々に発展を続けてきました。最初に所有した畑はジュヴレ シャンベルタンの村名で当初はネゴシアンにワインを売っていましたが、1970年から徐々にドメーヌワインとして販売するようになり、1987年には100%ドメーヌ元詰めワインになりました。1990年代にはジュヴレ シャンベルタン村以外にシャンボール ミュジニー村やモレ サン ドニ村の畑も手に入れ、現在では約5.3haの畑を所有しています。

葡萄栽培においては自然環境を尊重して、健康で良質な葡萄を作ることを大事にしています。葡萄の木が病気の被害に遭った時の薬剤の使用は出来るだけ最小限に留め、雑草を取り除く際は除草剤は使わずに耕作することで雑草を掘り起こし、さらに土の中に空気を入れることで微生物の活動を活性化させるようにしています。芽掻きや剪定をしっかり行うことで生産量を抑制し、非常に凝縮した葡萄を作っています。(リュット・レゾネ方式)

収穫は全て手摘みで腐敗した葡萄や干からびた葡萄などをしっかり選別し、除梗は約70%行います。ステンレスタンクに入れられた葡萄は醗酵前に低温で浸漬してピノ・ノワールの色とアロマを出し、自然酵母によってアルコール醗酵が始まります。醗酵温度は最高35℃で時間をかけてゆっくり行われます。櫂入れをしっかり行なって色、アロマ、タンニンを引き出します。

その後、ブルゴーニュクラスは50%、ジュヴレ・シャンベルタン・ヴィラージュは70%、それ以外は100%の新樽率で14~20ヵ月間熟成してノンコラージュ、ノンフィルターで瓶詰されます。凝縮感が強く新樽比率も高いため、1erCru以上のクラスは熟成に向きます。90年代など、いま、まさにその真価が現れてきています。ヴィラージュ(村名)は比較的若飲みが可能です。

このようにして生み出されるワインは、ともかく長熟なヴァン・ド・ガルドで、若いうちでも新樽の風味はそれほど強くなく、たっぷりとした構成要素の色濃く滑らかなもの。そして良年は言わずもがなですが、オフ・ヴィンテージでの完成度の高さがドメーヌの大きな強みであり、2代目のクリスチャン氏は1977年、94年07年等、不調なヴィンテージを全く感じさせない仕上がりのワインで我々を愉しませてくれました。

2002年、息子ロイックを交通事故で亡くして以来、なぜかセラファンのワインは輝きを増し、以前に比べレベルアップし、見事に美味しく果実味がぐっと強調されているようですと言われます。最近、当主は姪のフレデリック・バショテに変わりましたが、クリスチャンも未だ指導を行いながら現場に立っています。

菊鹿 シャルドネ樽熟成(2014)

火曜日, 1月 9th, 2018

菊鹿 シャルドネ樽熟成(2014)

  • 原産地 熊本県山鹿市菊鹿町
  • 格付け 日本ワイン
  • 生産者 熊本ワイン(株)
  • 品種 シャルドネ100%
  • コメント

今回の菊鹿シャルドネ2014は、2013よりシャープな印象があり、熊本シャルドネの果実をたっぷり感じていただけるワインです。まず最初にグレープフルーツ、レモンの香りが感じられ、口の中ではやさしい樽の香り、ほのかにバニラのアロマも広がります。

白身魚のバターソース、海鮮を使った前菜などと相性が良いワインです。冷たいお料理にはよく冷やした状態で、温かいお料理には軽く冷やした状態で、お楽しみいただけます。(造り手サイトより)

色合い 輝きのある黄金色

香り  華やかな白い花を思わせるような青みのある繊細な香り。白桃や蜂蜜、バニラ、オレンジの香りに甘く控えめな樽香が芳しく、開いてくるとアーモンドの様な甘い香り。

味わい 果実味と酸味が豊か、上品で繊細な味わい。バランスよく、ミネラリーでシャブリ・プルミエと思ってしまうほどの完成度。全体的に丸く柔らかでバランスよく程よくドライ。時間経過による味の変化までは感じられません。すっきりした酸味が後味をよくするが、温度が高くなると樽感が際立ちボリュームが高くなります。

◆口に含むとパイナップルに、コンフィチュールなどのトロピカルなニュアンス。 バニラやビスケットの余韻も。ブラインドでムルソーとも間違えるというのも納得。

  • 菊鹿 シャルドネ樽熟成2014

このキュヴェは熊本県山鹿市菊鹿町の契約農家のシャルドネを100%使用。良質な葡萄を優しく絞り、細かな温度管理のもとステンレス・タンクで発酵させた後、さらに約1年樽熟成させたことでほんのりと香ばしい黄金色の一本に。2014年は日照量にも恵まれ、品質の高い葡萄が収穫されました。香りにはりんごや白桃、そしてハーブのニュアンス、ミネラル感があります。

() 年によっては前年1年間樽熟成を行ったワインをブレンドすることにより、爽やかな果実感とともにしっかりとした味わいのある辛口ワインとなっています。

  • 熊本ワイン(株) 地産地消をテーマに、愛情のこもったワイン造り 熊本ワインの設立は1999年。当時、山形県の高畠ワイナリー等の系列企業として九州でのワイナリー造りを計画していたところ、熊本県の山鹿市(旧菊鹿地区)のタバコ畑の転作事業との計画が一致し設立に至りました。以来、熊本県産の葡萄にこだわり当初4ヶ所だった契約農家も、現在では14ヶ所まで増え、生産者と共に試行錯誤し葡萄に愛情を込めたワイン造りを行われています。

すべてがゼロからのスタートだった熊本ワイン。葡萄栽培も今までタバコを栽培していた農家にとっては初めての経験でした。台風が通り、雨の多い九州地方での栽培は水との戦い。一つ一つレインカット(雨よけ)はもちろん、畝(うね)を高くして水の通り道にはビニールシートを引き、水はけがなるべく良くなるようにと、雨の多い地域ならではの工夫が見られます。収穫時期も日中気温が高くなる事から、特別な畑に関しては深夜0時から収穫するナイト・ハーベストを取り入れ、葡萄の糖度と酸度をなるべく良い状態で収穫し、まだ涼しい朝のうちから醸造し果実味を最大限に活かしたワインを醸造。

こうした多くの努力や地元農家の協力や試行錯誤が実り、創業間もない2004年の国産ワインコンクールにて金賞を受賞。それを皮切りに国内のワインコンクールにおいて多くの受賞歴を誇っています。特にこのナイト・ハーベストで収穫されたシャルドネは評価が高く、ワイナリーでもリリース直後に完売するなど、これから間違いなく九州を代表するワイナリーになっていく注目の蔵元です。

THE PASS NV

火曜日, 1月 9th, 2018

THE PASS NV

  • 原産地 ニュー・ジーランド南島マールボロ地区
  • 格付け
  • 生産者  ヴァヴァサワー・ファミリー
  • 品種   ソーヴィニヨン・ブラン100%
  • コメント

色合い 透明感のある薄い黄緑色。軽めの小さな泡が立ち昇ります。

香り グレープフルーツやハーブなどの草原のようなさわやかさが感じられます。更に時間が経過すると、パッションフルーツなどのトロピカル・フルーツ、白桃、ブラック・カランツ等が出て、シトラスも広がります。

味わい  いきいきとした透明感のある酸があり、ペティヤン(軽い泡)がそれを助けます。きりっとした余韻で終わります。

マールボロ地区のワイラウ峡谷とアワテレ峡谷のソーヴィニヨン・ブラン種を集めてスパークリング・ソーヴィニヨン・ブランを醸造します。ワイラウの葡萄がアロマティックな果実味をもたらし、アワテレからミネラル感を加える要素となっています。葡萄はゆっくり圧搾されて果汁は選定された酵母を加え醗酵させます。低温での醗酵を保つためにステンレス・タンクによる温度コントロールを行い、果実味の含まれた畑の風合いが感じられる環磁歪に仕上げます。9か月澱引きせずに寝かせることで風味豊かでクリーミーな骨格と優しい泡とのバランスを保っています。

  • ヴァヴァサワー・ファミリー

ヴァヴァサワー家の歴史は古く、ノルマン民族のイギリス征服にまで遡ります。 その後ニュー・ジーランドに移住し、1890年にアワテレ・ヴァレーに居を構えました。 ワイナリー創設者ピーター・ヴァヴァサワーは、アワテレ・ヴァレーをニュー・ジーランドワインの新開地としていち早く目をつけ、 1985年にアワテレ・ヴァレーで最初の葡萄樹を植樹し、現在に受け継がれています。ファーストヴィンテージは、1989年。その後、ワインは次々と高い評価を獲得し、ヴァヴァサワーは、アワテレ・ヴァレーを、優れたワイン産地として公式に地図に掲載されるまでにした立役者ともいえます。

ザ・パスはそのヴァヴァサワーがマールボロー地区で手掛ける、別ブランドです。

ソーヴィニヨン・ブラン100%が醸し出す爽快感、柔らかいハーブ香がしっかり泡に溶け込んでいます。地域の環境を配慮しサステイナブルを実践しています。

  • マールボロ地区とヴァヴァサワー・ファミリー

マールボロ地区のマールボロという産地は 平坦な谷合い、河川、でこぼこした丘と山々が広がり区画された多様な地形の地域です。ニュー・ジーランドで最も大きなワイン産地です。また、マールボロはニュー・ジーランドで最も日照量が多く乾燥した地域です。年間に2400時間もの日照を受ける地域です。温暖な日中と夜になると気温が下がり1日の平均積算温度は180℃といったマールボロのワインが煌びやかな果実風味、細い酸と華やかさを増すといった過程を確実なものにします。葡萄はマールボロに位置する自社畑と契約農家の畑、アワテレ・ヴァレーワイラウ・ヴァレーという2つの突出した地域から構成されます。ヴァヴァサワーが管理する全ての畑は、ニュー・ジーランド・葡萄生産者協会公認となっています。

また、マールボロではいち早く「カーボン・ゼロ」循環炭素を増やさない取り組みとしてCO2の削減、太陽光発電による電力の削減や、畑から生み出される廃棄物の再利用、ボトル、カートンに至る製品の再生利用など積極的に取り組んでいます。

アワテレ・ヴァレー この地域は地元の川から付けられた産地名であり2か所の地域で最も冷涼な産地です。石交じりの粘土からなる堆積土壌が葡萄にとって理想的な排水効果をもたらしています。

ワイラウ・ヴァレー アワテレの北に位置する産地で西からクラウディベイ湾のある海洋に山々から注ぐワイラウ川から名づけられました。ヴァヴァサワーのワイン全てで、正確な地域性と品種の個性の両者を備えている葡萄から作ることを心掛けています。