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LE MESNIL Grand Cru Blanc de Blancs 1990/Alain Robert Pere et Fils

月曜日, 1月 8th, 2018

1月7日都内某所の友人のシニア・ワイン・エキスパートH女史宅でわたくしともう一人ソムリエールM嬢の3人が集まり、例年より少し遅めとなりましたが、恒例の新年会を開きました。
それぞれお宝のワインを持ってくるのが常なのですが、今年はかなりのワインが集まりました。最初は無類のシャンパーニュ好きのH女史のセラーからトン禅のシャンパーニュ。出てきたのはアラン・ロベールのブラン・ド・ブランでした。しかも・・・。
LE MESNIL Grand Cru Blanc de Blancs 1990/Alain Robert Pere et Fils

出てきたメニルは、もうかなりの琥珀色です。輝きのある色合いで素晴らしい存在を示しています。残念ながら泡は立ち上るというほどではなく、口に含むと微発泡が感じられるくらい。しかし、その濃厚さは、凛として、シャルドネの良さを表しています。

【ALAIN ROBERT】
サロン、クリュッグと並んで、ブラン・ド・ブランの三傑と言われ、パーカー氏からも5つ星の評価を受けたアラン・ロベール。近代化が進む中でも、「いいものだけを作る職人でありたい」と、伝統的製法を頑なに守るメゾンでした。今は幻のシャンパーニュとなりつつあります。

アラン・ロベールは、シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン地区の、ル・メニル・シュール・オジェ村(グラン・クリュ村)を拠点とし、17世紀からの歴史を持つRM(レコルタン・マニピュラン=自家栽培の葡萄でシャンパーニュを造る小規模生産者のこと)の生産者です。現当主は、10代目のアラン・ロベール氏で、自社畑のシャルドネのみを使った、長熟型のブラン・ド・ブランを作るメゾンです。

ル・メニル・シュール・オジェ村のシャルドネは、ミネラル感がとても高く、作られるシャンパーニュは、若いうちはとても硬いので、ロベール氏は、ゆっくりと十分に熟成をさせてから世に送り出していました。「シャンパーニュを作るのに、時間がかかるのは当然のこと」と悠然としていて、また「いいものだけを少量生産する職人でありたい」と、例えばデゴルジュマン(澱引き)も、受注してから行うことにこだわります。するとボトルの中でより長く、澱とともに寝かせられる分、複雑味を増したシャンパーニュが生まれるのです。

PR活動もせず、流通量も少なく、知る人ぞ知る存在のアラン・ロベールでしたが、ロバート・パーカー氏から、最高の5つ星生産者の評価を受け、一躍有名になりました。しかし残念ながら、1990年を最終のヴィンテージとして、すでに畑は売却され、新規の醸造は行なっていません。現在は、残りの在庫を少しずつ出荷しています。

このまま濃厚なワインばかり頂いていると、サラダやスモーク・サーモンなどに合うワインがない、とセラーから選ばれたニュー・ジーランドのリースリング。豪州やニュー・ジーランドは割合良いリースリングにぶつかることが多いのです。ニュー・ジーランドでは、リースリングから遅摘み方式で作られる極甘口ワインも忘れてはいけません。今回はすっきりタイプのリースリングです。