Archive for the ‘Bordeaux’ Category

Château Guiraud 2005

日曜日, 1月 14th, 2018

Château Guiraud 2005

  • 生産地 ソーテルヌ地区ソーテルヌ村
  • 格付 1855ソーテルヌ第1級格付け
  • 生産者 Château Guiraud
  • 品種 Sauvignon Blanc 50%/Sémillon 50%
  • コメント

色合い 輝く黄金色です。脚もゆっくりなだらかに下っていきます。

香り  マンダリンやタンジェリンのようなオレンジ系のアロマ、野獣めいた香り、ついでカラメルの香りを押し流すように蜜につけた桃。杉の葉ではなく皮の香りもして、強く甘く堂々としたニュアンスです。サフランやエキゾチックなフレーバー、オレンジの皮のようなビターなニュアンス、アフターに甘いスパイス。
30分後、柔らかで丸い香りとなり、樽香や杉の皮の香りはおさまりました。10日後、香りは清楚に。藤の花の香りが押し寄せる感じです。初日の野獣のような印象からすっかりいい女となりました。

味わい  蜜、とろけるような液体、きれいな甘みにうまく絡んでいる酸味。圧倒的に複雑な味わいです。他のソーテルヌとはちょっとスケールが違う感じがします。 なんとも美しく瑞々しい味わい。そして長い長い余韻があるのです。

  • Château Guiraud2005の評価

2005年ヴィンテージはシャトーを代表する傑作となりました。レモンタルト、焼きりんご、ヴァニラ、トロピカルフルーツ、蜂蜜などの風味が重層的に口中に広がり、長い余韻を堪能出来る美酒です。ワインスペクテーターで大絶賛され、2008年末に発表されたワインスペクテーター誌の【2008年TOP100】では堂々の4位にランクイン。これはフランスワインでは2位のシャトー・ローザン・セグラ2005に次ぐ順位で、2005年のソーテルヌではシャトー・ディケムと同点の最高得点を獲得したのです。パーカーポイント95点です。

「2005年のGuiraudは2004年のそれに比べてわずかではありますが、持っている香りが低いと言えます。しかし、乾いた蜂蜜やマーマレード、そして液体に空気を含ませると僅かばかりですが、石油系のニュアンスがあるなど大変複雑な香りで構成されています。
味わいは、最初に粘着性を感じ、次にぱりぱりしていると言えるようなはっきりとした酸味があり、蜜蝋とアーモンドの味わいが最後まで調和して長く続きます。
試飲時(2013年4月)から言うと、少なくともあと2-3年は寝かせていたほうが良いワインです。2016年から2030年が飲み頃と言えるでしょう。」(Wine Advocate)

●Château Guiraud
1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティー氏が支配人に就任した時です。氏の指導の下、大改革が行われた『シャトー・ギロー』は厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを産しています。ロバート・パーカー氏も『グザヴィエ・プランティーのおかげで、今このシャトーは絶頂期にある』と評価しています。2006年にプジョー・シトロエンのロベール・プジョー氏、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのオリヴィエ・ベルナール氏、カノン・ラ・ギャフリエールのステファン・フォン・ナイペルグ氏、ギロー支配人のグザヴィエ・プランティー氏による共同所有となりました。

●100%オーガニック、格付1級で初の有機認証を獲得したシャトー。
近年、ワインスペクテーターやジェイムス・サックリンなど、世界的なワイン評価誌でも高く評価されているシャトー・ギロー。その秘密の一端を担うのが、有機栽培です。

ギローは、1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。

有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。

●この変化はたった5日間で

ソーテルヌの独特の風味を生みだすのはボトリティス・シネリア菌(貴腐菌)ですが、貴腐がつくのは完熟したぶどう。5日間くらいで一気に変化が見られるそうです。

■貴腐葡萄
■ソーテルヌ地区概要

Château Soutard 1986

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Soutard 1986

  • 原産地 リブルネ地区サンテミリオン村
  • 格付け AOC St.-Emilion Grand Cru Classé
  • 生産者  Château Soutard
  • 品種 メルロー60% カベルネフラン40%
  • コメント

サンテミリオンでは最も歴史のある伝統的なつくりのシャトーとされる”スータール” 。ほとんどのヴィンテージが20~25年以上持ちこたえ、暗くて非常に濃いルビー色をしており、強烈でタンニンの強い獰猛さがあって、若い内は飲む人を遠ざける程と言われています。リッチなスタイルで、果実味、タンニン共に非常に豊かな長期熟成型。

色合い  濃縮感のある深い色合い。縁はガーネットに美しい輝き。

香り   芳醇な黒系果実に、熟成した“ボルドー”の香り。ちょっとホコリっぽい熟成感。熟した果実の甘いニュアンス、黒いベリー系に甘草などのハーブの香り。ドライフルーツ、土、古い木、鉛筆の削りかすの香り、工場の鋼材の感じ。奥に黒胡椒やバニラ、インク、腐葉土、少し清涼感を感じさせるミントも。遠くにローズ香。非常に複雑・多岐です。

味わい  ヴォリューム感に富んだタンニンを備えた豊満な味わい。メルローのまろやかさとカベルネフランのしなやかさ、若いうちは強いタンニンで感じにくいのですが、1986は長期熟成により濃密な気品のある味わいとなって表れてきます。タンニンもこなれて軽さすら感じます。思いのほかまろやか艶やか色気がタップリ。ブルゴーニュのように妖艶。

  • 1986のChâteau Soutard

スータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

メルローを主体にカベルネ・フランをブレンドし、新樽熟成による複雑味のおびたアロマ、豊富な果実味の中にもバランスの取れた酸や、シルキーなタンニンが感じられます。86年はボルドーの偉大なヴィンテージの一つ、そのポテンシャルをダイレクトに感じられる1本です。ベリー系果実の華やかな風味やスウェード生地のような滑らかな舌触りが感じられ、メルローらしいきめの細かいタンニンが特徴です。

  • ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」PP86

「スータールはいまだにサンテミリオンのアペラシオンで最も長命なワインの1つである。当主がわざとあり余るほどのエキス分や口の中がカラカラになるほどのタンニンを詰め込んで、20年は持ちこたえることが確実なワインにしていることは間違いない。この年のワインも非常に内向的で、出し渋りをする。タンニンのレベルは途方もないが、リッチな、エキス分の多い、凝縮感のある果実味も感じられる。予想される飲み頃:〜2018年。」

  • シャトー・スータール / Chateau Soutard

ボルドー・サンテミリオン地区で1762年より同一の一族によって所有されていたボルドーの歴史の中でも非常に長く、珍しい歴史をもつシャトー(現在は保険会社の所有)。優良なヴィンテージは、最低20年は待ってから飲むべきと言われる同シャトーのワインは、クラシカルな長熟タイプで、清澄やフィルターによる濾過を一切行わず、30%程の新樽熟成を経て非常に遅い時期にボトリングされます。サンテミリオン地区の北部に位置する非常に高い位置にある葡萄畑は石灰質土壌、粘土質土壌、砂質土壌とバリエーションに富んでおり、それぞれの畑の葡萄を混ぜ合わせることで、味わいに深みと複雑さを与えています。リリース当初のスータールのワインは常に深く濃いルビー色の色調で、強固なタンニンと目の詰まりきった果実のボリュームが豊富で早飲みには適さないものの、20年以上の熟成をもって全ての要素が綺麗に溶け合い、丸みを帯びた官能的な味わいへ変化していきます。

Château Sociando-Mallet 1995

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Sociando-Mallet1995

  • 原産地 Haut-Médoc, St-Seurin de Cadourne村
  • 格付けAOC  Haut-Médoc
  • 生産者 Château Sociando-Mallet
  • 品種 CS 55%、Me 42%、CF2%、PV1%
  • コメント

色合い  光を通さないほど濃いルビーから紫色を凝縮された紫色。経年変化で、青のニュアンスが消え、煉瓦色が混じる。

香り   湿った木や、ほこりのようなイメージなどがあり、図書館や古本屋のようなイメージを想起させるクラシックな・落ち着きのある印象の香りです。鋼鉄の板、ミネラル、ブラックチェリー、黒カシス、微妙な樽香クレームドカシス、砕いた岩や春の花の豊かな香り。腐葉土のような枯れ感にインク。

味わい  非常にコクがあり、シルクのような滑らかなタンニンです。ミディアムボディーで、この年のワインとしてはタンニンが強く、余韻の長いフィニッシュで、凝縮感や純粋さは優良から秀逸。

▼1995のChâteau Sociando-Mallet(インポーター資料)

香りは湿った木のような香りに腐葉土。キノコのような香りなど、熟成に起因する香りが豊かに香ります。

果実味は無花果のようなイメージがしっくりと来る落ち着いた果実の香りがあり、鉛筆の芯のような硬質的な香り、また、餡のような甘く香ばしい香りもあります。また口の中ではカンゾウのような漢方薬のイメージ。

依然としてそのボディは拡散的ではなく凝縮したビターさを残しています。芯を保ちながら熟成感が出ており、ボディは多少ボリュームが足りないような中庸な印象の一方で、綺麗にまとまっています。余韻はコショウのようなスパイス、腐葉土、インクのようなニュアンス。

▼ロバート・パーカーの評価 1995年PP90

「近づきやすいのにタニックなソシアンド・マレだ。深みのあるルビー/紫色をしており、秀逸な香りはジャムにした様なブラックチェリー、ブラックベリー、カシスを思わせ、ミネラルや土、新樽を思わせる微妙な趣もある。深みがあり、余韻が長く、筋肉質で、タニック。予想される飲み頃 ~2025年」

▼1995年のボルドー・ワインの出来

ボルドー地方は巨大な収穫量でしたが間引きによって生産量は少なめ。メルロー種は大成功で、カベルネも重くタンニンが強く長期熟成ワインです。高品質で秀逸したヴィンテージ・ワインは価格が高騰しています。

  • Château Sociando-Mallet

もしメドックの格付けの見直しが行われたら確実に3級以上に上がってくる、と言われているシャトーです。フランス国内での評価が非常に高く、ほぼ国内で消費されてしまい日本での知名度はさほど高くありません。シャトー・ソシアンド・マレは、サン・テステフ村に隣接するサン・スラン・ド・カドゥルヌ村のシャトー。17世紀半ばにシャトーを所有していたソシアンド氏と、1850年の所有者の未亡人、マレ女史の名をとって名付けられました。このシャトーの輝かしい歴史は、1969年に荒廃していたシャトーをジャン・ゴートロー氏が購入した事に始まります。彼は、ソシアンド・マレをメドック格付け外シャトーの中で最も美しいワインとすることに尽力した人物。2003年以降クリュ・ブルジョワの自らのシャトーの格付けに対して納得できず、クリュ・ブルジョワの中でも最上位のクリュ・ブルジョワ・エクセプショネルの格付けを返上。「格付けシャトーでもブルジョワシャトーでもなく、ソシアンド・マレである」とし、 格付けには分類されない立場を貫いています。

所有する畑は、非常に日当たりも良く、砂利も多いため水はけも良い素晴らしい土壌の卓越した畑で、1ha あたりの植樹植度の高さ(8000本)や徹底した手摘みと選果の技術が同業者からも高く評価されています。100%新樽使用など、醸造にも妥協のない徹底ぶりがうかがえます。仏国内での評価が高く、ほとんどが国内で消費されてしまうため日本での知名度は高くなく、知る人ぞ知る、通好みのワインとして愛されています。昔ながらの製法を守り、骨格のしっかりとした、非常にエレガントなワインを造り続けているシャトーです。

Château Bahans Haut-Brion 2001

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Bahans Haut-Brion 2001

  • 生産地 グラーブ地区ペッサック・レォニョン村
  • 格付け AOC Pessac-Leognan
  • 生産者 Château Haut-Brion
  • 品種 カベルネ・ソーヴィニョン36%、メルロ52%、カベルネ・フラン12%(2001年キュベ)
  • コメント

バーン・オー・ブリオンはボルドーの五大シャトーの一つ、シャトー・オー・ブリオンが手掛けるセカンド・ワイン。2007年からのセカンドは「ル・クラレンス・ド・オー・ブリオンLe Clarence de Haut Brion」というワイン名でリリースされているので、バーン・オー・ブリオンはその前身にあたります。驚異的なまでの濃密さと並外れたエレガントさが魅力です。

色合い  

黒色のニュアンスもある濃厚な輝くルビー色。

香り  

いささか閉じているが、ブラックチェリー、プラム、ミネラルの香りがするワイン。赤いベリーやスモーキーなアロマ。甘いカシスやプラムなどの黒系果実の芳醇な香り、タバコや黒色果実、スパイス、コーヒーなどの香り、ブラックカラント、カカオ、チョコレートやトリュフなどの複雑なニュアンス。

味わい  

ミディアム・ボディーで秀逸な純粋さがあり、良好な舌触りと引き締まったタンニンに恵まれています。酸味は控えめで、アタックは柔らかく深い魅惑的な果実味の濃厚な味わいは模範的なグラーヴのスタイルを具現化しています。

「2001年は、瓶詰めされたのが遅く(2003年9月末)、間違いようのない高貴さや、成長著しい複雑さを持っている。縁までプラム/紫色をしており、ブレンド比率はメルロ52%、カベルネ・ソーヴィニョン36%、カヘルネ・フラン12%という手の内を明かさないもので、瓶詰め後は相当に閉じてしまった。それにもかかわらず甘酸っぱいチェリー、ブラックカラント、甘草、燻煙、細かく砕いた小石の純粋な香りがある。ミディアムボディで、純粋さは秀逸で、タンニンは硬く、過度のある、構造の感じられるフィニッシュを持つ。」(Robert Parker jr.)

  • Château Bahans Haut-Brion

オー・ブリオンが手掛ける最上のセカンド。畑、葡萄の選定、醸造方法など、オー・ブリオンと変わらないこだわりと丁寧さがあり、セカンド・ワインというのはもったいないほどの品質です。 格付け第1級のファーストにきわめて近い、最上のセカンド・ワインといえるでしょう。

セカンド・ワインというと、シャトーによって、樹齢の若い葡萄を使用したものや、別の区画から取れた葡萄を使用するものなど様々ですが、オー・ブリオンの場合は、瓶詰め手前までグラン・ヴァンと同じように造っています。

グラン・ヴァンと同じ畑で育てた後に葡萄が選別され、グラン・ヴァンとセカンドに分けます。つまり、 オー・ブリオンと同じテロワールであり、同じ畑で栽培から収穫、製法までに同じように造っています。限りなくファースト・ラベルに近いセカンドと称される理由はそこにあります。

  • Château Haut-Brion

全ボルドーの頂点に君臨する5つの第一級格付けシャトー。その中でも唯一グラーヴ地区から選出されたのがこの「シャトー・オー・ブリオン」です。世界で最もエレガント、そして香り高いワインとして一級格付けの中でも際立つ個性と存在感を醸し出すオー・ブリオン。近年においてはさらにテロワールの特徴を反映させたスタイルへと推移し、温暖な砂利質土壌というミクロクリマを素直に表現しています。

「ブラインド・テイスティングにおいて、オー・ブリオンが、第一級シャトーのなかでは最も外交的で軽いワイン、という印象をしばしば与えるという事実は興味深い。実際には、このワインは軽いのではなく、単に、オークの個性があって肉付きがよく、よりタンニンの多いメドックのワインや、よりシフトでメルロが支配的な、右岸でつくられたワインとは異なっているというだけなのだ。最高のヴィンテージにおいては、早熟であるにもかかわらず、このワインは30年かそれ以上熟成を続ける能力を持っており、ほかのいかなる第一級シャトーのワインよりも飲み頃である期間が長い。」(Robert Parker jr.)

Château Puygueraud 1996

火曜日, 1月 9th, 2018

Château Puygueraud 1996

  • 生産地 リブルネ地区コート・ド・フラン サンシバー村
  • 格付け AOC Bordeaux Cotes de Francs
  • 生産者 Château Puygueraud
  • 品種 メルロ60%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%、マルベック5%
  • コメント

ル・パン、ヴィユー・シャトー・セルタンなどを所有するベルギー出身のネゴシアン、ティエポン・ファミリーが所有するシャトーが造るエレガントなタンニンとしっかりとした骨格を持つ個性溢れるワインです。

色合い  紫色がかった深みのあるルビー色。その濃厚なルビー色からは熟れた果実が感じられます。

香り  ブラックチェリーやプラムなどの熟した果実や熟成からくる落ち着いた華やかな香り。プラム、ブルベリー、カシスリキュールなど。青ピーマン、ローズマリーなどの若々しい香り。スミレの香り。ミント、土、ミネラル、カカオのニュアンス。

味わい  溢れんばかりの果実味と、しっかりしたタンニンを持った、骨格のあるワイン。口に含むと豊満な存在感があります。程よい酸味と果実の凝縮感。シルキーなタンニンが豊かな果実味を引き立たせ、リコリスのニュアンスを伴うフレッシュでエレガントなアフターが長く続きます。

  • Ch Puygueraud 1996

1996年はボルドーでは右岸、左岸を問わず質の良いカベルネの取れた年という事からも分かるように、遅熟のテロワールに取って有利なヴィンテージと なりました。ピュイゲローのテロワールは右岸では断トツに遅熟で、オーナーのニコラ・ティエポン曰く、96年は非常にタンニンのしっかりとした葡萄が収穫できたそうです。

もうかなり良い感じで、ワインがこなれてきて、タンニンがかなりまろやか。今が正に飲み頃。ラムレーズン系のアロマチックな感じが、ワインが綺麗に熟成している事を感じさせます。旨みもたっぷりで、本当に上手く熟成したワインです。

  • Ch Puygueraud シャトー・ピュイグロー

シャトー・ピュイグローは、超・高級シャトーとして知られる「ル・パン」のオーナー、ティエンポン家が所有する人気シャトー。ジョルジュ・ティエンポンがシャトー・ピュイグローを所有したのは1946年のこと。それから長い年月をかけて畑を手入れし、シャトーで最初のワインが造られたのは所有から実に37年もの月日を経た1983年のことでした。リリース後まもなく評論家に絶賛され、人気シャトーの仲間入りを果たしました。

シャトー・ピュイグローが属するコート・ド・フラン(2008年より、ボルドー右岸のコートのついた4つの地区、ブライ・カスティヨン・フラン・カディアックが<コート・ド・ボルドー>1つになった。Cotes de Bordeaux Francs)は、450haとボルドーで一番小さなアペラシオンです。 葡萄畑はジロンド県で最も高地にあり、サンテミリオンの東にあるドルドーニュ川とイル川の流域の中間に位置しています。

ティエンポン家はこのボルドーで最小のこのアペラシオンを復興させる為、長い年月をかけて取り組んできました。その取り組みに一つが、土壌に合った品種の植え替えです。シャトー・ピュイグローはメルロを中心に、 マルベックやカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしていましたが、2005年からはカベルネ・ソーヴィニヨンを伐採し、よりコート・ド・フランの 土壌に合う、カベルネ・フランを栽培するようになりました。

Le G de Château Guiraud 2014

火曜日, 1月 9th, 2018

Le G de Château Guiraud 2014

  • 生産地 ソーテルヌ地区ソーテルヌ村
  • 格付 AOC Bordeaux Blanc sec
  • 生産者 Château Guiraud
  • 品種  ソーヴィニヨン・ブラン70%/セミヨン 30%

  • コメント

極甘口ワインの最高峰AOCソーテルヌの格付け1級シャトー、Ch.ギローが自社畑の中心にある15haの区画から造る辛口白ワイン。柑橘系のフレッシュな果実味にハーブのような風味を持っています。

色合い 黄緑がかった、輝きと透明感のある瑪瑙色

香り  りんごやパイナップル、グレープフルーツ、白桃のアロマに、ハチミツ、ミネラル、ソーヴィニヨン・ブラン由来の青草のようなフレッシュなニュアンスが重なります。華やかな香り、ハーブの爽快なアロマとコクを持ち合わせています。

味わい  メロンや柑橘系果実の皮のような心地よい苦み、黄色いリンゴを思わせる果実味に穏やかな酸が溶け込み、時間の経過とともに肉厚な味わいへと変化します。セミヨン由来のオイリーな質感が見事に融合しています。ハーブやミネラルのニュアンスが綺麗に余韻まで残ります。

【畑】  ル・ジェ・ド・シャトー・ギローは、Ch.ギローが所有している畑の中心部にある15haの区画の十分熟しているものの貴腐化はしていない葡萄から作られている辛口白ワインです。品種はソーヴィニョン・ブラン70%、セミヨン30%で、平均樹齢は15年、1haあたり6600本の植え付けを順守しています。

土壌は砂交じりの砂利土が畑のほぼ80%を覆っており、残り20%は粘土砂利質の土壌です。更にその下の地層は、すべての区画において透明感のある砂と粒の揃った礫で構成される地層で、そこに赤い粘土や化石化した牡蠣殻由来の石灰岩交じりの粘土層、赤や白の粘土層が交錯しています。

収穫は、すべて手作業による房選りまたは子房選りで、貴腐化したものや、まだ緑が残っている房は除去します。

【醸造所】

プレスの後の一番搾りジュースだけを用い、取り出したジュースは、24時間の間は、摂氏10℃という低い温度で保管されます。

発酵は12-13℃で始まり、19℃で終えることになります。その発酵は前年グラン・クリュの貴腐ワインを製造したオーク樽の中で2週間行われます。熟成期間の最初の3-4か月の間は、中の澱を定期的に撹拌します。この樽内での熟成は通常は最低でも9か月は続けられます。

  • シャトー・ギローChâteau Guiraud

1766年にギロー家が取得して以来品質の向上が始まり、1855年の格付では見事1級に輝きました。その後オーナーの交代は何度かありましたが、ギローが劇的に変わるタイミングとなったのは1983年、グザヴィエ・プランティーが支配人に就任した時です。その指導の下、大改革が行われたシャトー・ギローは厳しい選果を行い熟した果実のみを収穫することで、めざましい発展を遂げてきました。酸化防止剤(SO2)の使用も最小限に抑え補糖も禁止するなど、自然に近い造りを心がけ最高品質のソーテルヌ・ワインを産しています。

1855年にメドックとソーテルヌで1級に格付されたシャトーの中で初の有機認証を取得したシャトーとして知られています。25年にも及ぶ環境保全のための栽培の結果、行き着いた結論です。有機認証を与えられるまでには、とても長い時間がかかります。というのも、認証を与えられるためにはただ有機栽培を実践するだけではなく、それを数年実践し続ける必要があるからです。ギローでは1996年から有機栽培を始め、2007年に全ての畑で有機栽培を実践。それから、いわゆる「転換中」という認証機関の審査段階に入り、2011年に晴れて正式認証されました(2011年が有機認証としての初ヴィンテージ)。

  • 初めて樽発酵でボルドー辛口白ワインを造ったシャトー

樽を有効に使用するのが得意なプランティー氏によって、ボルドー辛口白ワインの中で初めて樽醗酵を行ったことでも有名です。樽醗酵および澱と一緒に熟成させることで、味わい豊かで複雑味を帯びた、まろやかな辛口白ワインを造り上げています。

 

CHATEAU BEYCHEVELLE 1990 / Saint-Julien

火曜日, 1月 9th, 2018

CHATEAU BEYCHEVELLE 1990 / Saint-Julien /4em classe en 1855

信じられないようなシャンパーニュやワインが出てきた後のこのワインに対して、思わず冷たい視線を送ってしまいました。いくら90年とはいえ、メドックの4級が、ラ・ターシュにかなうわけがない、と。
しかし、BEYCHEVELLE 1990 は見事に期待を裏切ったのです。ファースト・アタックのその滑らかさは、まるで絹のようでした。私は自分でワインを採点するときは最初のワインの舌触りを<絹漉し豆腐度>5点満点で表します。それで言いますと、5.0/5,0でした。酸と糖度のバランスも5.0/5,0。力強さやポテンシャルも、まだまだ数年は飲むことができるという点では4.8/5.0でしょうか。アフタも十分で上品な酸味が喉と鼻に漂い5.0/5.0でした。このような完全に近いワインは早々お目にかかれません。一寸バカにしていただけに、その反動は激しいものでした。

【CHATEAU BEYCHEVELLE 】
シャトー ベイシュヴェルは所有面積250ha中、90haでブドウ栽培を行っています。メドックの中心地に位置し、深い礫層に覆われた土壌はベイシュヴェルから北に向かってラトゥールの畑まで続いている、カベルネ種の栽培に向いた土地です。平均樹齢は30年、カベルネ ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ フラン、プティ ヴェルドを栽培しています。減農薬法を行い、環境と人に配慮したブドウ栽培を実施、2005年には「Terra Vitis」の認証を得ています。また、2002年にはHACCP(食品製造における安全管理の手法)も導入、環境や安全に配慮しながら、伝統的な製法でワイン造りが行われています。
16世紀にこの城に住んでいたフランス海軍提督エペルノン公爵に敬意を払い、ジロンド河を通る船はこの城の前では「ベッセ ヴォワール(帆を下げよ)」と叫び、帆を下げて通っていました。この言葉が語源となり、ベイシュヴェルと名付けられました。シャトー・ ベイシュヴェルの城はボルドーで最も美しいと言われていますが、1757年にブラシエ侯爵が中世に立てられた城を取り壊し、その石材を使って建築し直した城です。

ベイシュヴェルでは17世紀中頃からワイン造りが行われていました。ブラシエ侯爵所有の時代頭角を現しますが、2代目がフランス革命により追放されて一時名声にかげりが見えました。しかし、その後パリの銀行家アルマン・アイン氏の所有に移り急速に復興します。彼の孫が亡くなった後、所有権が保険会社GMFグループに移り、1989年GMFとサントリーの共同出資会社グラン ミレジム・ド・フランス社の経営となりました。